
取材で食べるカレーの辛さまでは想定してなかった
筆者も編集者としてはそれなりのキャリアになるので、一通りのピンチは経験していたはずなのですが……。
東京都は、“グリーントランスフォーメーション”の取組を加速させるための「TOKYO GX ACTION」を実施中。東京ビッグサイトで「TOKYO GX ACTION CHANGING 未来を変える脱炭素アクション」を5月17日、18日に開催しています。
このイベントでは「ミライカレー2025」と題して、カレーの有名店がさまざまな「脱炭素カレー」作りに挑戦しています。そこで、事件は起きました。
取材に同行した編集部の菊池さんが、ミライカレー2025のブースで「もうやんカレー」を食べていたところ、静かに筆者に訴えてきたのです。
「小嶋さん。辛いです……」
カレーを食べて、そんなベタなリアクションをするのか! という驚きも多少はありましたが、その目は本気でした。
「えっ……菊池さん、辛いもの苦手でしたっけ? そもそも、そんなに辛いカレーなんですか?」
「そこまでじゃないと思っていたんですけど……」
取材で食べたカレーが辛すぎる。これは、普通の人ならなかなか直面しない危機的状況です(菊池さんのカレーを食べた感想はこちら:取材で食べた「もうやんカレー」がめちゃ辛かった! でも……地球環境に優しいカレーだから耐えられました)。
確かに、これは想定していなかった。「食べたカレーが辛すぎる」は筆者の人生の中でも何度かありましたが、「水が飲めない」は、そうそうない。しかも、取材中ですからね。要するに仕事中です。
しかし、筆者に抜かりなし。ミライカレー2025のブースにはウォーターサーバーがあることを調査済みだったので、慌てることなく菊池さんに「ウォーターサーバーに行くべし」と伝えました。
そもそも、もうやんカレーにそこまで辛いという印象はなかった(筆者は何回か店舗に行ったことがあります)。それを辛すぎると感じるのであれば、単純に「当人が辛さに弱いだけでは?」という疑念も拭えないところではあります。
予期せぬ刺激に直面してしまったのはかわいそうだけど、取材は続けてもらわなくては。これ、仕事なのよね……。
とまあ、スレッガー・ロウのような表情でウォーターサーバーの前に歩いていく菊池さんを見つめていましたが……本人はちっとも水を飲もうとせず、ウォーターサーバーの前で悲しそうな顔をしているではありませんか。
エコなイベントだからしょうがないよね
何やら様子がおかしいと気付き、筆者もウォーターサーバーの近くまで駆けつけてみました。そして、理解しました。
紙コップがないのです。
なるほど……ウォーターサーバーで水を飲むにも、マイボトルが必要な感じか……。環境問題を考えるイベントだし、そりゃそうか……。
あまりの事態に呆然とする筆者の視界の隅に、会場の外の自動販売機に向かおうとしている菊池さんが一瞬だけ映りました。しかし、どうすればよかったのか。何を思えばいいんだろう。何て言えばいいんだろう。
外は冷たい風。街は矛盾の雨。「救えなかった……」と後輩に何もしてあげられなかった敗北感でいっぱいのまま、しばし会場のベンチで打ちひしがれていると、「小嶋さん? 何してるんですか?」との声が。
顔を上げてみると、なんということでしょう。そこにはマイボトルを持って微笑んでいる菊池さんがいるではありませんか。いったい、どこでそれを?
だから、アンケートに答える必要があったんですね
なんと、菊池さんは会場内に設置されていたアンケートポップを見つけ、アンケートに答えることでマイボトルを入手。それに水を入れることでカレーを完食したそうです。
というか、マイボトルをプレゼントするアンケートを実施しているからこそ、紙コップがなかったわけですね。そういうところから来場者の意識付けをうながしているのでしょう。
なお、本人は「カレーと水のおいしさを再認識しました」と語っていました。
というわけで、取材中に「食べたカレーが辛いけど水が飲めない」大ピンチになったら、アンケートに答えてマイボトルを入手するのが正解だったんですね。多分これが一番早いと思います。
ともかく、環境問題について考える第一歩として、これからは取材にもマイボトルを持参しようと思いました。
みなさんも、東京ビッグサイトでこの週末に開催中の「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」で、環境問題を一緒に考えてみませんか。おいしいカレーもありますよ。マイボトルを持参すると、なおGOODですね。

コメント