ウロコフネタマガイ(別名:スケーリーフット)は、2001年にインド洋の深海、水温300度のチムニー(海底熱水鉱床)で発見された巻貝で、硫化鉄でできた黒褐色のウロコを持つ、生物初の鉄のヨロイを身に着けた生物。前にも紹介したかと思うのだが、今月13日、海洋研究開発機構のチームは、従来の「スケーリーフット」の、体色が異なる近縁種をインド洋の深海底で発見したと発表した。

 今回発見されたものは、黒褐色ではなく白色をしているという。

 従来のスケーリーフットは、硫化鉄で硬くコーティングされているために、黒っぽい色を帯びているが、今回発見されたものは、硫化鉄を帯びておらず白っぽい体色をしているという。

インド洋で見つかった巻き貝スケーリーフット」の白い殻を持つもの(上)。これまでは硫化鉄で殻が硬くコーティングされたもの(下)

 この白色スケーリーフットは、昨年10月、海洋機構の無人潜水調査船「しんかい6500」が、鉱物を多く含む水深2600メートルの熱水噴出孔の近くに集まって生息しているのを発見。体長約3~4センチ。2001年に見つかった黒い色のものより殻は弱いが、遺伝的にはほぼ同じ近縁種だったそうだ。

 これまでの黒バージョンのスケーリーフットの鱗には磁性があって、磁石を近づける反発してくるくる回ったそうなのだが、硫化鉄でコーティングされていないということは、そういった反応もないのかもしれないね。

  白バージョンは、亜種なのか、アルビノ種なのか?今後の調査結果を待ってみたいんだ。

関連記事:
【てつのよろいを身に着けた世界唯一の生物「スケーリーフット(ウロコフネタマガイ)」】

画像・動画、SNSが見られない場合はこちら