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革新的な電動スポーツセダン

スウェーデンを本拠とするポールスターは、9月のミュンヘン・モーターショーで新型EVセダンポールスター5』の量産バージョンを発表する予定だ。

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2020年公開の大胆なコンセプトカー『プリセプト』をほぼ忠実に踏襲したポールスター5は、「スーパーカーレベル」の高剛性、800Vの「超急速充電」対応電気アーキテクチャー、最大900ps近くのパワーを誇る、ポルシェ・タイカンのライバル車だ。

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2023年に公開されたポールスター5のプロトタイプ。内装は未完成だった。    AUTOCAR

ポールスターは、2023年に一部の主要スペックと、量産型に近いプロトタイプを公開しているが、今秋に仕様詳細とインテリアを正式発表する。

「会社としてのアイデンティティを定義するプロジェクト」と表現されているように、ポールスターのために特別に設計された、新しいアルミニウム製のスケーラブルプラットフォームを採用する。このプラットフォームは、2026年に発売予定のオープントップモデル『ポールスター6』にも採用される予定だ。

発表によると、5は新しい急速充電技術により、バッテリー寿命を低下させることなく、わずか5分で160km分の電力を追加できるという。

CEOのマイケル・ローシェラー氏はAUTOCARの取材に対して、800Vアーキテクチャーの導入が5における最大の特徴であるとし、「充電時間は18分から19分まで短縮されます。これは本当に素晴らしいことです。充電を待つ間に、コーヒーを急いで飲む必要があるでしょう」と語っている。

この技術は「超高速充電(XFC)」と呼ばれ、ポールスターと、同社が出資しているバッテリー開発企業ストアドット(StoreDot)社の共同開発によるものだ。

ストアドットは、XFCにより5分でフル充電できる携帯電話を開発した実績がある。ポールスターによると、XFCは既存のバッテリー技術に組み合わせることができ、「バッテリーパックの設計の革新」は必要ないそうだ。

ポールスターとストアドットは昨年、実物大の5台のプロトタイプを用いて実証試験を行っている。

ストアドットのCEO、ドロン・マイヤーズドルフ氏は以前、AUTOCARに対して、「これは従来のリチウムイオンバッテリーをベースに、急速充電に対応させた画期的な技術です」と語っている。

ストアドットはシリコンアノードを使用したリチウムイオンパウチセルを製造しているが、ハードケース型のプリズムセルへの適用も検討中だ。

ライバルはポルシェ・タイカン

ポールスターは、5では四輪駆動用の2基の電気モーターから合計出力886psと最大トルク91.6kg-mを発生すると明かしている。リアモーターは特に強力で、単独で612psを発生するという。

スタイリングは、2020年の印象的なプリセプト・コンセプトを進化させたものだ。市販化の認証取得に伴い、コンセプトの大きな特徴であった、派手なサイドの折り目、超スリムなデジタルサイドミラー、逆開き(観音開き)式リアドア、特大のアルミホイールは廃止となった。

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2023年に公開されたポールスター5のプロトタイプ。「ウインドウレス」のリアセクションが特徴的。    AUTOCAR

ポールスターはまた、クラス最軽量となるまったく新しいプラットフォームにより、「スーパーカーレベル」のボディ剛性を誇るだろうと述べている。

ボディは、熱間成形、冷間成形、ダイキャスト、および押出成形されたアルミニウムで構成されている。

このアルミ構造により、「スーパーカーレベルのねじれ剛性を実現し、クラス最高レベルの乗り心地とハンドリング・ダイナミクスの基盤になっている」と、ポールスター英国部門のチーフエンジニア、デイブケイン氏は述べている。

バッテリーのサイズは未公開だが、プラットフォームに統合される。

ライバルはポルシェ・タイカンで、ポールスターベンチマークのために1台を所有していると見られている。しかし、スポーツカーのような本格的なハンドリングよりも、日常的な快適性など全体的にバランスの取れたクルマを目指している。

車両エンジニアリング担当ディレクターのスティーブ・スウィフト氏は、「魅力的であると同時に、快適さも必要です。わたし達はどちらかを完全に犠牲にすることなく、ダイナミックな方向にも、快適な方向にも、発展させることができるのです」と語った。

さらに、モータースポーツからヒントを得たアンダーボディの空力設計や、空気抵抗を抑える滑らかなボディ形状など、エアロダイナミクスにも力を注ぐ。

ポールスター5は9月に正式発表された後、年内に発売される見込みだ。来年にはポールスター6が続く。


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