佐藤輝は8回に痛恨のけん制死、一瞬のスキを突かれた(C)産経新聞社

 阪神は12日の西武戦(ベルーナドーム)に1-4と逆転負け、今季2度目の同一カード3連敗とセ・リーグ首位チームがまさかのスイープを食らった。

 初回、森下翔太に11号ソロが飛び出し、先制。しかし援護を受けた先発のジョン・デュプランティエが粘れない。

【動画】先発デュプランティエは西武打線に攻略された

 1回裏、四球と暴投で一死二塁のピンチを招くと当たっているタイラー・ネビンに適時打を許し、あっさりと同点に追いつかれてしまう。
 
 ミスも響いた。2回には先頭・山村崇嘉ライナー性の打球に対し右翼を守る佐藤輝明が勢いよく突っ込んだものの、後逸。一気に三塁まで進塁された。その後、1死三塁から長谷川信哉の左前適時打が飛び出し、1-2と勝ち越しを許した。

 さらに1点ビハインドの4回1死二塁の場面。平沼翔太が放った打球を左翼を守る森下が後逸。慣れない球場でややバウンドが変わるという不運もあったが、このプレーで二走の源田壮亮が一気にホームに帰った。その後、一死三塁から西川愛也にも右前適時打を許し、さらに2点を加えられた。

 打線は再三、チャンスを作るも生かしきれず。1-4のまま、終盤8回を迎える。ここで西武は4番手、3年目右腕の山田陽翔がマウンドに上がる。一死から中野拓夢の右翼線へのヒット、森下、佐藤輝に連続四球を与え、阪神は一死満塁のチャンスを迎える。

 しかし5番、大山悠輔に1ボール直後、山田の一塁けん制により佐藤輝が刺された。6回から途中出場となった捕手の古賀悠斗のミットがポンと下に落とされたのを合図に、一塁を守るネビンが素早く一塁カバーに入り、山田の好送球もあって、西武のビッグプレーで好機を潰された。

 この8回のピックオフプレーにはNHK-BSで中継解説を務めた野球評論家の与田剛氏も正確に送球した山田のコントロールの良さ、ベースカバーに入った一塁手、ネビンの俊敏な動きをたたえるとともに、内野陣の連係の良さがないと、送球がそれるなど、一転してピンチを迎える可能性もあることで「ライオンズのほうが一枚上手だったなという」、ぎりぎりのところで攻めた西武の試合巧者ぶりが光るプレーだったとした。
 
 阪神にとっては屈辱の3連敗。初戦、2戦目は救援陣が打たれ、3戦目はミスも響き、完全に西武に力負けとなった。それでも貯金はまだ11もある。すべてを糧に、前に進むしかない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

なぜ藤川阪神は西武に3タテを食らったのか 痛恨のピックオフプレー、拙守も響く「ライオンズのほうが一枚上手だったなという…」