
東京23区の平均家賃が過去最高を更新するなか、埼玉県や神奈川県、千葉県といった近隣都市の注目が高まっています。そこで今回、ニフティ不動産が実施したアンケート調査をもとに、埼玉県内で人気の街トップ3を抜粋。ランキング形式で紹介します。※最後にTOP5の早見表あり。
23区の賃貸家賃は“過去最高”更新…埼玉で「注目を集める街」は?
アットホーム株式会社によると、東京23区のマンション平均家賃は30平米以下(単身者向き)が9万8,346円、30~50平米が16万1,906円、50~70平米が23万8,868円と、いずれも過去最高となっています(2025年2月時点)。
こうしたなか、比較的家賃相場の低い近隣都市に住み替えを検討している人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、都心へのアクセスやコンビニ・スーパー、病院への近さなど、利便性は捨てがたいもの。そこで、物件情報数1,500万件以上のニフティ不動産が調査を行った「注目の街ランキングベスト100」をもとに、埼玉県内で注目されている街トップ3※をランキング形式で紹介します。
※ 関東エリアで賃貸物件を探しているユーザーからの昨年1年間の検索・閲覧数が最も高かった街を集計。今回はそのなかから埼玉県内の街を抜粋し、ランキング化したもの。
第3位:蕨(わらび)
第3位にランクインしたのは「蕨(わらび)」。市内唯一の駅である蕨駅には、JR京浜東北線が乗り入れています。
蕨といえば、「日本一小さい市」として有名。1889年以降1度も合併しておらず、その面積はわずか5.1km2と、明治から続く“コンパクトシティ”です。
他方、面積に対して人口は約7万6,000人と、高い人口密度を誇る街。それもそのはず、駅周辺にはライフやイオンタウン、ビバモール、マックスバリューなどのスーパーが集まっており、買い物には困りません。
また、駅から約14分のところにある「蕨市民公園」は、約3万3,000m2もの広大な敷地を持つ、市内最大の公園。複合遊具は2021年にリニューアルされたばかりで、多様な遊具や芝生の広場で子どもと遊ぶことはもちろん、ランニングコースや健康遊具も整備されていることから、大人もめいっぱい楽しむことができます。さらに、予約をすれば10時~15時までバーベキュー利用も可能です※。
※ その他注意事項あり。詳細は、市公式HPを確認のこと。
さらに、蕨では大規模な再開発が進んでおり、東口には2023年9月に竣工したばかりの商業ビル「MT.BLD」が建っているほか、西口でもマンション・商業施設・公共施設などが入った、地上28階建ての2棟の高層タワーが建設予定だそう。2010年に竣工した「シティタワー蕨」を含めた3棟のタワマンが立ち並ぶ、“新しい蕨”に生まれ変わっています。
完成後は蕨駅西口につながるプロムナードも建設される予定で、駅周辺がよりいっそう便利になりそうです。
赤羽まで9分(3駅)、赤羽で乗り換えれば池袋まで約23分、新宿まで約30分。東京駅へは乗り換えなしで約30分と、都内へのアクセスも悪くありません。「便利さ」と「住みやすさ」を兼ね備えたコンパクトシティの動向に注目が集まっているようです。
【家賃相場】1K:6.3万円、1LDK:6.4万円、2LDK:12.6万円、3LDK:13万円
【掲載物件情報数】2万2,280件 ※ 出所:ニフティ不動産
第2位の西川口は“ほぼ東京”?
第2位:西川口

第2位にランクインしたのは「西川口」。西川口駅は3位の蕨の隣駅で、赤羽まではJR京浜東北線でわずか6分。“ほぼ東京”といっても過言ではない場所に、この街はあります。
2010年代から本場の中華料理店が続々とオープン。「應心 麻辣湯」や「張亮麻辣湯」など、ここ数年SNSなどで話題沸騰の麻辣湯(マーラータン)専門店も豊富にそろっています。
また、西川口の魅力はその家賃の安さ。隣の川口は1LDKの家賃平均相場が7.1万円なのに対し、西川口は6.6万円でした。
駅周辺には、駅直結の「ビーンズ西川口」のほか、ドン・キホーテやニトリが徒歩圏内にあり、少し足を伸ばせば「アリオ川口」や「ララガーデン川口」、「イオンモール川口」といった大型商業施設も。
また、川口市は出産時の助成金「赤ちゃんにっこり応援金」や、子どもがいる世帯が県内の店舗・施設・企業等で割引やポイントサービスの優遇を受けられる「パパ・ママ応援ショップ事業」、育児に疲れたママ・パパでも子連れで安心して利用できるサービスを企業等に提供してもらう「ママ・パパ・リフレッシュ事業」など、子育て支援に力を入れています。
子どもの誕生などを機に住み替えを検討している世帯にもおすすめの街といえるでしょう。
【家賃相場】1K:6.5万円、1LDK:6.6万円、2LDK:12.7万円、3LDK:14.2万円
【掲載物件情報数】2万3,853件 ※ 出所:ニフティ不動産
第1位は「東日本エリアの玄関口」
第1位:大宮

本ランキングの第1位に輝いたのは「大宮」です。交通の要所として発展した大宮は「鉄道の街」として知られ、下記のように数多くの鉄道路線が乗り入れています。
〈在来線〉
・宇都宮線
・高崎線
・埼京線
・川越線
・武蔵野線
〈私鉄〉
〈新幹線〉
JR東日本の乗車人員ランキングを見ると、2023年度において大宮は7位につけており、新幹線が止まる駅のなかでは東京・品川に次ぐ3位。いわずもがな“交通アクセス最強”の街です。
駅周辺には「ルミネ」や「マルイ」、「高島屋」といった駅ビルや百貨店はもちろん、「イオンシネマ大宮」や「鉄道博物館」など、文化・娯楽施設も充実。大宮の隣駅、さいたま新都心駅に直結する「コクーンシティ」を含めた8つの商業施設の総店舗数は、1,000店を超えるといいます。
また、大宮駅があるさいたま市は、市が行った調査において市民の8割以上が「住みやすい」「住み続けたい」と回答しており、2007年度と比較すると約12%増加。他の政令指定都市を抑え、幸福度ランキング総合1位となっています。
少子高齢化が叫ばれるなか、さいたま市は0歳~14歳の転入超過数が9年連続全国1位(2015年~2023年)と、子どもが増えている街。これにともない、さいたま市は保育施設の拡充や教育環境の整備に力を入れており、子育て世帯が安心して暮らせる街といえそうです。
駅周辺の再開発も進んでおり、さらなる発展に期待が高まります。
【家賃相場】1K:6.3万円、1LDK:6.6万円、2LDK:12.5万円、3LDK:15.8万円
【掲載物件情報数】2万4,687件 ※ 出所:ニフティ不動産
【早見表】注目の「埼玉の街」ランキング
以上、トップ3を見てきました。

埼玉県内の注目の街において特筆すべきは、ファミリー層向けの賃貸物件の安さです。神奈川県トップ3が平均20.4万円、東京都トップ3が平均24.6万円なのに対し、埼玉県のトップ3は平均14.3万円と、ググッと金額が下がります。
パートナーや子どもの誕生をきっかけに住み替えを検討している人にとって、埼玉県は有力候補地のひとつといえるかもしれませんね。
あなたの「住んでいる街・住みたい街」はランクインしていましたか?

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