フランシスフォード・コッポラ監督の最新作「メガロポリス」の絶賛コメントが披露。スパイク・ジョーンズギレルモ・デル・トロ堤幸彦、ASKA、永野らが魅力を語っている。また、ロバート・デ・ニーロスパイク・リーが本作について言及する特別映像も披露された。

【動画】「メガロポリス」特別映像

ゴッドファーザー」シリーズや「地獄の黙示録」など、映画史に残る名作を世に送り出してきた巨匠コッポラ。1980年代から温め続けてきた"夢の企画"を、構想から40年という歳月を経て完成。自身の私財1億2000万ドル(約186億円)を投じて実現させた、14年ぶりとなる最新作となる。

各著名人のコメントは、以下の通り。

スパイク・ジョーンズ

まだ笑っているよ。過激だ。こんなものは見たことがない。噂は聞いていたけれど、どんな作品になるのか想像もつかなかった。好きなところはたくさんあったけれど、一番肌に合ったのはトーンだった。面白くて、生き生きとしていて、エレクトロニックで、世界観とアイデアが鮮やかだった。フランシスが役者たちと作り上げた演技や世界の細部……私はずっと声を出して笑っていた。芝居とシュールさと創作の喜び。彼がこれほど長い間、この作品を考え、取り組んできたことは信じられないが、この作品はまだ今日のものであり、今、私たちがいる世界、そして私たちが向かっている世界であると感じた。

ギレルモ・デル・トロ

フランシスは20代の頃と変わらず、大胆で大胆不敵、独創的な映画監督だ。私は『メガロポリス』に打ちのめされた!

スティーブン・ソダーバーグ】

すごい!これはアメリカ国内で撮影された映画の中で最もクレイジーなものかもしれない。間違いなく、私がこれまで見た中で最も純粋で持続的なイマジネーションの表現だと感じた。一晩中夢を見ていたよ!感動的だった。

堤幸彦

息をのみ、言葉を失うシーンメイク!圧倒的別次元!コッポラ!どこまで"コッポラ世界"を極めるのですか!人間の愚かさはここまでやらないと描けないのですか!時差ボケなのに凄すぎて覚醒してしまうブロードウェイミュージカルですか!「ゴッドファーザー」で稼いだお金を超趣味作品で使い果たし破産する、またその繰り返しですか!杜子春か!凄すぎてまとまらない!もう一回観よう!

【ASKA】

「格言」とも「哲学」と言える章で分けられた作品「メガロポリス」
最近、よく耳にする「現実は、あなたが描いてる幻覚」。
それが映像化されたような作品だった。これがいつクランクインしたのか知らないが、
脚本家、そして監督のコッポラに見えていた未来は荒廃していくアメリカの姿だったのだろう。
権力は必ず滅びる。ローマがそうであったように。
そして、どんな時代にも権力に打ち勝つモノが「民衆」と「自由」であることを教えてくれてる。

戸田奈津子

私の翻訳家人生は、フランシスフォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』でブレイクし、監督の集大成である『メガロポリス』で私のキャリアも集大成となりました。字幕翻訳者としてこんなに幸せな人生はありません。コッポラ監督はまさにルネッサンス時代の芸術家たちのような知の巨人であり、現代のミケランジェロダヴィンチと言っても過言ではありません。

【永野】

私自身が自分の事で手一杯になってる間にコッポラ監督はマクロな視点で人類全体を憂いでいたのか!インディーズ精神に溢れたこのSF映画は誠実さも不道徳さも同等に並べて観る者を挑発する!表現に躊躇はいらない事を学ぶ!

【島田雅彦】

メガロポリス』には現代のアメリカの状況に至った因果がメタファーとして細部に散りばめられている。トランプ大統領の再登場により、今後アメリカや世界はどうなるのか、不安と期待が交錯しているが、悲観するにせよ、楽観するにせよ、なるようにしかならない。ただ絶望するよりは、何らかの希望を見出す者に未来を委ねたほうがいい。ローマ帝国が辿った歴史をアメリカもなぞり、衰亡の一途を辿るのか、それとも教訓が生かされ、再び繁栄を取り戻し、復活するのか、『メガロポリス』を観た者はそれを深く考えるよう誘導される。

特別映像は、デ・ニーロが2001年にブルックリンで行われた本作の本読みに参加していたことを明かす。当時、ポール・ニューマンやユマ・サーマンら豪華キャストが顔をそろえていたが、同年に発生したアメリカ同時多発テロの影響により、制作は中止を余儀なくされたという。またリー監督は、「この映画をぜひ劇場で体感してほしい。家のワイドテレビとIMAXでの体験は比べものにならない」とコメントしている。

メガロポリス」は、6月20日からIMAXほか全国劇場で公開。

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