
小排気量でも高い出力を得られる2ストロークエンジンは、1990年代までバイクの世界では主役と言っても過言ではないパワーユニットでした。ただ、排出ガス規制がどんどん厳しくなってくる中、燃料と一緒にオイルを燃焼させる構造が仇となり、2000年代には公道向け市販バイクの世界では姿を消してしまいます。
とはいえ、開発されなくなったわけではありません。オフロードバイクの世界では、まだ第一線で活躍していて、カテゴリーによっては“2ストでなければ勝てない”と言われていたりします。そんな2ストロークバイクの最新モデルに試乗して、進化のほどを体感してきました。
■2ストの独壇場のカテゴリーとは!?
2ストエンジンが今でも現役で活躍しているのはオフロード競技の世界。特に“ハードエンデューロ”と呼ばれる崖のような斜面や、岩のゴロゴロしている山の中を走る競技では、上位に入賞するのは2スト車ばかりという状況が続いています。その傾向はレベルが高いレースになるほど顕著で、世界一過酷といわれ完走率1%という「レッドブル・エルズベルグロデオ」というレースでは、4スト車が完走したことがニュースとなるほどです。
[caption id="attachment_683087" align="aligncenter" width="1200"] ▲4スト車で「レッドブル・エルズベルグロデオ」を完走し話題となったトライアンフ「TF 250-E」[/caption]
そんなカテゴリーで、高い戦闘力を発揮しているのがKTM製の2ストエンジン搭載モデルです。傘下にある「ハスクバーナ」「GASGAS」といったブランドでも2ストエンジンのオフロードモデルをラインナップし、世界的に大きな支持を得ています。
どんな点が支持されているのか体感するため、現行モデルのKTM「150 EXC」とハスクバーナ「TE 250」にオフロードコースで試乗してみました。

コメント