小田急電鉄など14社は6月16日、クレジットカードなどのタッチ決済による乗車の対象路線を、2025年秋以降拡大すると発表した。小田急線のほか、箱根登山電車箱根登山ケーブルカー箱根登山バス、大山ケーブルカーと、東海バス小田急ハイウェイバスの一部路線が対象。小田急線は26年春ごろに全駅が対応予定。

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 タッチ決済対応のクレジットカードやデビットカードプリペイドカード、または同カードを設定したスマートフォンを専用リーダーにタッチすると改札を通れる。対象はVisa、MastercardJCBAmerican ExpressDiners Club、Discover、銀聯の7ブランド。

 導入スケジュールは段階的だ。25年秋以降は箱根登山バスや大山ケーブルカー東海バスの一部路線でタッチ決済に対応し、小田急ハイウェイバスは利用できる路線を拡充する。26年春ごろには小田急線全駅、箱根登山電車小田原駅箱根湯本駅から強羅駅間、箱根登山ケーブルカー強羅駅早雲山駅で利用可能になる。

 小田急グループでは23年4月に江ノ電、23年8月に箱根ロープウェイ箱根海賊船でタッチ決済を導入済み。今回の拡大により、新宿、箱根、江の島・鎌倉、大山への移動や観光が、クレジットカード等の1枚で可能となる。技術基盤には三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用。

 あわせて、25年秋以降に小田急線の全駅、箱根登山電車箱根登山ケーブルカーの一部駅で改札機にQR認証機能を順次搭載。アプリ「EMot」または「EMot オンラインチケット」で発売しているデジタルチケットのQRコードを、改札機に読み取らせることで通過できるようになる。箱根登山バス小田急ハイウェイバス東海バスの一部エリア、大山ケーブルカーにおいてもQR認証端末の導入を予定している。

 プロジェクトには小田急グループ6社に加え、三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパンMastercard、ジェーシービー、日本信号、QUADRAC、小田原機器、レシップが参画。小田急では、2025年4月には訪日外国人が単月として初めて390万人超えと過去最高を記録したほか、箱根、湘南、大山の年間観光者数が約5300万人に上るなど、急速なインバウンド需要に対応するためとしている。