
俳優の綾野剛が6月16日、都内で行われた映画「でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男」プレミアイベントに出席。子役・三浦綺羅との共演を振り返り、思いを語った。
■三浦綺羅、撮影初日に綾野剛から「ぎゅー」
本作は福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)の映画化。2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野)は、保護者・氷室律子(柴咲コウ)に児童・氷室拓翔(三浦)への体罰で告発された。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。20年前、日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件。報道をきっかけに、担当教諭は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は薮下の完全否認から幕を開けるのであった。
イベントには綾野のほか、柴咲、亀梨和也、大倉孝二、迫田孝也、三浦、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫、三池崇史監督も登壇した。
三浦は綾野との共演を「剛さんは、僕が撮影初日で緊張してたんですが『よろしく』ってぎゅーしてくれたので、そのとき緊張がほぐれました」と回顧。「撮影の合間も、お互いの呼び方を一緒に決めたり、お話ができたのでうれしかったです」と笑顔を見せ「でも、演技の迫力がすごくて、本当にびっくりしちゃったシーンもあるので、みなさんに見つけてもらえたらうれしいです」とアピールした。
綾野は「年が違うとかも関係なくて、本当に対等な関係の中で一緒にお芝居を作っていく共演者として、とてもリスペクトが生まれました」と告白。続けて「彼の吸収力みたいなものを目の当たりにしていると、大げさかもしれないですけど『また役者続けたいな』とか『作品を作っていきたいな』って思ってもらえたらうれしいな、という思いがどこかであって」と気持ちを明かし「現場って楽しいし、作品を作ることは楽しいし、誰かを演じるっていうのは特段別に特別なことじゃないけど、見てくださる方々の日常を少しでも彩れたらという思いでやっていますから。そういったことが現場を通して綺羅くんに伝わったら。これからの綺羅くんを見続けていきたいなって思っております」としみじみ語った。
■柴咲コウ、三浦綺羅との共演で「勇気づけられた」
また、三浦は母親役を演じた柴咲について「演技中の迫力がすごくて。こんなお母さんだったら怖いしどうしようと思いました(笑)」と告白。「拓翔がランドセルの中身でお母さんに静かに怒られるシーンがあるんですけど、特にそこが本当に怒られている気持ちになりました」と具体的なシーンを挙げつつ「でも、オフのときは心配してくれたり、いつも気にかけてくれたのでうれしかったです」と柴咲に感謝した。
柴咲は三浦との共演を「年齢とか若いとか子どもだ大人だとか関係なく、装おうと思う人は装っちゃうと思うんですけど、すごく素直にそのときの感情をお芝居に映し出していて」と述懐。「そうだよね、それがいいんだよな、って私も改めて学んだし、勇気づけられたというか。私も素直にやっぱりこれからもお芝居していこうって思いました」とかみしめ「ありがとうございます」と三浦に感謝を伝えていた。
◆取材・文=山田果奈映

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