
大正製薬は6月17日、「気になるカラダのにおい意識調査」の結果を発表した。調査は2025年3月、20~49歳までの420名を対象にインターネットで行われた。
○不快に感じるにおいは?
男女それぞれに、不快に感じる異性・同性のにおい、また自分が気を付けているにおいについて聞いた。その結果、自分と周囲とでは不快に感じる(気にしている)においに少しギャップがあることがわかった。
男女ともに周囲に配慮して自分自身で気を付けているにおいは、1位「口臭」(女性45.7%、男性32.9%)、2位「わき」(女性39.0%、男性25.7%)、3位「汗」(女性29.5% 男性24.3%)。しかし女性が不快に感じる男性のにおいは、1位「口臭」、2位「タバコ」、3位「加齢臭」。一方男性が不快だと思う女性のにおいは、1位「タバコ」、2位「香水」、3位「口臭」だった。
○身内のにおいには寛容?
周囲でにおいが気になる人について尋ねた。「我慢している」「我慢できず離れた」「本人に伝えた」という"不快指数"は「恋人」で13.1%、「夫・妻・パートナー」17.6%、「兄弟」15.2%、「姉妹」10.5%だったが、「同僚」25.0%、「上司/先輩」は26.4%と20%台に上昇。「通りすがりの人・他人」は33.8%とさらにアップしている。家族・身内の人間のにおいにはいたって寛容で、"他人度"が高まるにつれ、においの不快度もアップするようだ。
○男女のにおい意識のギャップも明らかに
回答で目立ったのは男女の差。ほとんど全ての回答で、においを気にする女性の数値が圧倒的に男性を上回っている。例えば自分が気を付けているにおいで「特になし」は女性25.7%に対し男性は41.0%でトップ。「不快に感じる異性のにおい」で、「特になし」は女性26.2%に対し、男性は約半数の50.5%。自分にも周りも、においに敏感な女性、逆に無頓着で、においへの関心度が低い男性、という構図が見えてきた。
○自分のにおいが気になる場所は?
自分のにおいが気になる場所・シーンについて聞いた。「電車・バスの中」(26.0%)、「エレベーターの中」(16.4%)といった人の密集度が高い場所が上位になっている。次いで女性は「デートのとき」(14.3%)が3位と、ちょっぴり女心がうかがえる結果に。男性は「スポーツの後」(13.8%)が3位で、汗のにおいが気になるようだ。
このほか「自身の理想の香り」の質問では、「石鹸・シャンプーの香り」(34.3%)を支持する人がトップ。自然で控えめなにおいが求められている。
○体臭・口臭の原因
体臭・口臭の原因について尋ねた質問では、「食べ物」(40.7%)、「生活習慣」(38.3%)、「ストレス」(37.4%)、「加齢」(31.4%)の回答が上位を占めた。にんにくなどにおいの強い食べ物や不規則な生活習慣、疲労からくるストレスが身体のにおいに悪影響があると考える人が多いようだ。しかし「どんなにおいケアをしているか」聞いたところ、こちらは「お風呂に入る」(56.9%)、「歯を磨く」(41.2%)、「制汗剤の使用」(30.5%)と身体の表面を整える回答が上位となり、「体調管理に気を付ける」の回答は9.3%と少数派。インナーケアにまで気を配る根本的なにおい対策には至っていないようだ。
また、体臭・口臭と腸内環境が関係していることを知っていた人は、「なんとなく知っていた」を含めると約半数(54.3%)になるものの、「知っている」の回答は15.0%にとどまり、身体のにおいと腸内環境の関係については、まだまだ認知度が低いことが分かった。
○皮膚から染み出す臭いは、腸内環境を整えることで改善を
小林メディカルクリニック東京院長・小林暁子先生によると、におい対策としては以下のような点が重要だという。
ストレスや偏った生活の乱れなどの悪い習慣があると、体内から発生するにおいを強める原因になる。また、何らかの病気が原因で体臭や口臭が起こるケースもある。特に肉中心の食事やたんぱく質の過剰摂取、運動不足は、においのもとになる皮脂の分泌を促し、ストレスは過酸化脂質をつくる活性酸素を増加させるという。そのため、ストレスの低減とともに、疲労に気を付け、腸内環境を整えることが有効な対策とされている。
また、皮膚表面のにおいには汗と皮脂、雑菌が大きく関係しており、これらの分泌や増殖を抑えることが予防につながる。朝、シャワーを浴びて皮脂を洗い流し、体臭、汗臭を防ぐ効果のある薬用石けんなどで一時的に雑菌の繁殖を防いで、皮膚を清潔に保つことが推奨されている。
なお、汗がにおいを発生させるまでには約1時間かかるとされており、それまでに濡れタオルや汗拭きシートなどで汗の成分や雑菌、皮脂汚れを取り除くことが望ましいという。
(Yumi's life)

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