
スバル製レオーネが生産を終了した1994年の個体
20世紀生まれであればジャンル問わず集まる自由なイベント「20世紀ミーティング」。2025年春の開催では、旧車ファンを唸らせる新たな試みも加わり、例年以上に盛り上がりを見せました。なかでも注目を集めたのは、見過ごしてしまいそうな商用バン。一体その正体とは?
レオーネ エステートバンは最後のスバル製商用バン
2025年4月13日に新潟県三条市のミズベリング三条(水防学習館)で開催された20世紀ミーティング2025春季。その名の通り、”20世紀生まれ”であれば2輪、4輪、ジャンルや国籍を問わずエントリー可能というこのイベントだ。今回は恒例の展示と各車のエンジン始動パフォーマンスなどのメニューに加え、旧車系自動車雑誌『Old-timer(オールドタイマー)』とのコラボで、読者参加型の見学会やフリーマーケットなどの新たな企画も加わって、いつもにも増して盛況となった。
イベントの参加資格が幅広いこともあり、今回もスポーツカーやセダンのみならず、トラックやダンプカー、ライトバンなどの商用車まで、エントラントの顔ぶれはバラエティに富んだものとなった。一般的に商用車は趣味の対象としてではなく仕事の道具として使い倒され、その役目を終えれば廃棄されることも多い。たとえばアストンマーティンやポルシェなどは年式を問わず、高い確率で現存・維持されているのとは対照的だ。
というわけで、今回のイベントで見かけた商用車のスバル「レオーネ エステートバン4WD」だ。うっかりすると、イベントのスタッフが設営作業で使っているものと勘違いしそうだがさにあらず。こちらもイベントのエントラント、れっきとしたヒストリックカーである。とはいえ、レオーネのエステートバンは、レガシィが登場した1989年以降も1994年まで併売。その後は日産「ADバン」のOEM版となった。つまり、このレオーネ エステートバン4WDは、最後のスバル製商用バンとして貴重な存在なのである。
若きオーナーと平成生まれのレオーネ
「1994年式のレオーネ エステートバン4WD、1.6Lです。」
と教えてくれたのはこのクルマの若きオーナー、羽鳥発動機さん。年齢を聞けば24歳と、オーナーも愛車も平成生まれ。比較的ベテラン勢の多いイベントのなかにあっては非常にフレッシュな世代で、このレオーネはオーナーよりも7歳ほど年上なわけだ。
このクルマに乗るきっかけは? との問いには、
「じつは私の祖父が、2代目AB型レオーネのセダンに乗っていて、そのころからレオーネっていいな、旧車って楽しいなと思っていたのです」
ということで、免許取得後はホンダの軽バン「ストリート」を足として乗りつつ、ずっとレオーネの出物を探していたという。
パーツはアメリカから輸入
そんな中、2023年に出会ったのがこの3代目レオーネのエステートバンだった。おじいちゃんの乗っていた2代目のセダンではなかったが、今となっては逆に貴重な4ナンバーのバン、しかもスバルの十八番・4WDモデルということもあって購入決定。
酷使されがちな商用車ということを考えれば、コンディションもまずは上々で、今では日常の足と趣味を兼ねた相棒として日々過ごしているとのこと。
「当時アメリカにもそれなりの台数が輸出されていたので、アメリカからもパーツを買っています。この前も排気系、マフラーなんかを取り寄せました」
という羽鳥さん。これからもちょっと年上のレオーネ エステートバン4WDと、素敵な旧車生活を!
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