
1990年代に一時代を築いた初代アコード ワゴン
かつて、若者たちの心を掴んだホンダ初代「アコード ワゴン」。ホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリングが製造した輸入車でした。そのスタイリッシュな姿は現在でも一部の層に根強い人気があります。当時流行していたニューストリート仕様に仕上げられた貴重な1台を見ていきます。
若者の心を掴んだ、USアコード ワゴン
昭和生まれのクルマ好きは、過去のヒット作は色々と思い浮かべることができるだろう。そんなさまざまなモデルのなかで、当時の若者たちが注目したワゴンがあった。それがホンダ初代CB型「アコード ワゴン」である。4代目アコードをベースに、米国ホンダR&Dノースアメリカが設計・開発した逆輸入車のUSアコードとしてのデビューは衝撃的で、その車名の響きとともに、何かとアメリカに影響を受けやすい層の心をがっちり掴み、大成功をおさめた。
“シャチョウ”さん(48歳)は、そんなCB型アコードマニアとしてセダン、クーペをコレクションする人物だ。じつのところコレクションを始めたころはセダンとクーペしか興味を持っていなかったらしいが、「せっかく集めているなら、大ヒット作となったワゴンも所有しなければ」という衝動にかられ、今から5年ほど前に1992年式のCB9型アコード ワゴンを購入。“シャチョウ”さんが若いころに流行っていた、ニューストリート仕様のカスタムカーとして仕上げたそうだ。
カスタムに詳しい人でも、あまり聞き慣れない「ニューストリート」とはどのような仕様か、“シャチョウ”さんに聞いてみると、アメリカンカスタムとしてお馴染みのスポコンカルチャーよりも古い時代に流行ったスタイルということ。だからといって、ローライダーとも違うらしい。
“シャチョウ”さんがちょうど20歳の頃に流行のピークを迎え、今ほどパーツが豊富にある時代ではなかったので、当時は基本的にメッキホイールにシャコタンというのがセオリーだったらしい。乗り手のファッションでも主張するのがお決まりだったそうだ。
当時は“超大径”の17インチホイールを装着
“シャチョウ”さんが所有するアコード ワゴンは、すべて当時のニューストリート仕様。本当は当時流行ったゼノンのエアロパーツを組みたかったが手に入らず、すでに所有していたストックパーツを含めて愛車にセット。ファッションは年齢的にも恥ずかしいということで、当日は令和の年相応の普段着での登場となった。
このアコード ワゴンは、当時物のホイールを履かせているのがポイントだ。光沢あるメッキに加え、美しく流れるラウンド形状のスポークディスクのホイールはアメリカンホイールを代表するエリートの17インチである。
今となっては17インチのホイールなんて純正採用されているほど当たり前だが、このアコード ワゴンが発売された頃は14インチがスタンダードで、15インチでも大きいといわれた時代だった。そのため、当時の17インチといえば現在でいうところの22インチに匹敵する大きさのホイールということになる。
低さにこだわるダウンサス仕様
スタイルはダウンサスによって車高を低くし、フェンダーアーチに被るほど下げるのがこだわり。CB9型アコード ワゴンはフロントフェイスがシャープで薄くスタイリッシュなので、それを強調させるためにも落としている。
内装についてはシンプルな純正スタイルをキープ。当時はいろいろと飾るのも流行ったらしいが、「現在は落ち着いた仕様で乗りたい」という理由から、シートもステアリングもノーマルのまま。逆にアコード ワゴンマニアな仲間たちからは、「ある意味、純正パーツを良いコンディションで保ったまま装着している方が、アフターパーツよりも貴重だ」という意見を多くもらうという。
現在の悩みは、壊れたときに必要な純正パーツが手に入らないこと。この時代は廃車後に即スクラップという流れだったので、大ヒットモデルだったとはいえ現存する台数も少なく、部品取り車なんて滅多にないという。そのため、「今後はいかに壊さないように乗り続ける」ことが課題だと話してくれた。
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