
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『仮病』を紹介する。『鬼姫神社通り商店街』(KADOKAWA刊)や「ミライのアイデア」で連載中の『不思議ヶ丘の人々』(白夜書房)で知られるミヤギトオルさんが、5月6日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ミヤギトオルさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■とっておきの方法で体調不良のふりをする
小宮はある日会社に行きたくないと思い、逆立ちしながら電話し体調不良を装う。しかし会社に電話したところ、別の人も体調不良で休みをとっていることを知る。
さらに欠席している人は、“仕事の修正を小宮にまかせるように”と伝えていた。それを聞いた小宮は、「今から行きます」と会社へ向かうことに。仮病を使って休もうとしたが、会社に行った小宮はそこでさまざまなことに気がつくのだった…。
このエピソードを読んだ人たちからは、「もっとバズるべき」「すごくいい話」「休んでいたらわからなかった気持ち」「ほっこりする」など、多くのコメントが寄せられている。
■読者層の背中を押す漫画として
――『仮病』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
10年ほど前、ファッション雑誌「メンズノンノ」星占いページに載せる漫画を担当していたのですが、こちらの漫画はその一本です。読者層である20代男性の背中を押すような内容にしようと思って毎月描いていました。今回の漫画は、ラフ段階では「風邪のふりをして、仕事をするのは大変だった」というところで終わっていたのですが編集者さんから「自分も必要とされていることに気づいて、がんばろうと思った」というラストをご提案いただき、反映しました。工夫したポイントはラストのコマでそう思っている青年の表情が少し悲しそうなところです。
――逆立ちで電話し、体調不良を装うという方法が印象的でした。どこから発想を得たのでしょうか?
これは何か具体的なきっかけがあったわけではなく、この漫画のラフ提出の締切前日に、何もアイデアが出てこないので吉祥寺を歩き回って考えていた時にふと思いつきました。SNSのコメントに、似たようなエピソードをネットで見たことがある(ブリッジをして仮病の電話をする)、というものがありましたが、ネットから拾ってきたネタではありません。
――ミヤギさんが今まで見聞きした仮病のなかで、斬新だなと感じた方法がありましたらお教えください。
他人の仮病を見聞きしたことはあまりないですが、自分の経験で言うと、どうしても会社に行きたくない時に、体調不良の電話をしたことは何度かあります。その時は芝居がかりすぎてもいけないし、自然を装いすぎるのもおかしいと思い、申し訳なさを強調した声のトーンで「吐き気が止まらない」の一言を付け加えて、仮病を押し通した記憶があります。
――本作以外にもたくさんの作品を発表してますが、ストーリー作りは実体験を元にすることも多いのでしょうか?
実体験を元にすることはありますが、今回の漫画のようにふっと頭に言葉やイメージが浮かぶこともあります。お菓子のパッケージのイラストや、雑貨を見て思いつくこともあるので、よく買います。
――今後、挑戦してみたいテーマやジャンルがありましたらお教えください。
不思議なお話を描くことが多いのですが、今回のような普通の若者が出てくる漫画も描いてみたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでくださってありがとうございます!いいねやリポストが大変励みになっております。楽しい漫画をお届けできるよう、これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。

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