
この記事をまとめると
■もっともよく見かける標識や表示のひとつに「止まれ」がある
■1998年に警察庁から「とまれ」を「止まれ」に変更するように通達があった
■2017年以降は「止まれ」と英語表記の「STOP」の併記が導入されいる
「とまれ」よりも「止まれ」のほうが意味がわかりやすい
道路には、標識や標示、法定外表示(たとえば、「止まれ」)など、さまざまな設置物やペイントがあります。このなかでも、よく目にする「止まれ」の表示に注目すると、漢字表記の「止まれ」とひらがな表記の「とまれ」があることに気づきます。では、なぜ漢字表記とひらがな表記が混在しているのでしょうか。
警察庁から「止まれ」に統一するよう通達された
法定外表示のひとつである「止まれ」は、かつてひらがな表記の「とまれ」でしたが、1998年に漢字表記の「止まれ」に統一するよう警察庁から各都道府県警察に通達されます。
漢字表記にするようになった理由は、「止まれ」の「止」は一文字で「止まる」ということ意味し、止まる必要があることを連想しやすいためだといわれています。
また、路面に書かれている「止まれ」は縦書きになっており、交通量が多い時間帯や渋滞時など、車間距離が短いときに一文字ずつしか読むことができません。
このように車間距離が短いときでも「止」の一文字があれば、止まることを理解することが可能です。そのため、ひらがな表記の「とまれ」から漢字表記の「止まれ」になったと考えられます。
しかし、1998年の通達から27年が経過した2025年時点においても一部の場所で、ひらがな表記の「とまれ」を見かけることがあります。その理由はなんなのでしょうか。
インバウンド用に英語表記の「STOP」の併記も増えてきた
現在も漢字とひらがなが混在している理由
前述したとおり、警察庁は1998年に漢字表記の「止まれ」に統一するよう通達していますが、いまもひらがな表記の「とまれ」を見かけることがあります。
現在でも、ひらがな表記の「とまれ」が残っている理由は、日本全国の「とまれ」を「止まれ」に変えるには時間がかかるだけでなく、多くの労力や費用がかかるためだと考えられます。
そのため、ひらがな表記の「とまれ」と漢字表記の「止まれ」が現在でも混在しているといえるでしょう。
なお、警察庁から全国の都道府県警察に漢字表記の「止まれ」に統一するよう通達されていることから、ひらがな表記の「とまれ」が、漢字表記の「止まれ」に変わるのは時間の問題です。もし、ひらがな表記の「とまれ」を見かけることがあったときは、残り少ないひらがな表記の「とまれ」のひとつといえるでしょう。
一時停止の標識には英語表記の「STOP」もある
一時停止を示す「止まれ」の表示と併せて設置されている「一時停止」の標識には、「止まれ」の下に「STOP」という英語表記がされています。
これは、2017年に導入されたもので、「2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会」の開催に合わせて順次設置されたものです。
今後、インバウンド需要や外国人観光客の来日が増える可能性があることからも、「一時停止」の道路標識は、漢字表記の「止まれ」と英語表記の「STOP」の併記が基本となるでしょう。

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