
東北660ターボGPにミラ挑む、22歳の挑戦とは
過給器の付いた軽自動車が走れるイベントを作ってほしい──そんな声に応えて2017年にスタートしたのが東北660ターボGPです。チューニングの範囲は東北660選手権よりも広く、ある意味では本当の草レースといえるようなカテゴリー。スズキHA36型「アルトワークス」やホンダ「S660」など新しめの車種が多いなか、唯一のダイハツ「ミラ」で孤軍奮闘する若いドライバーが弱冠22歳の小林大翔です。
軽さとコンパクトさが武器のL700V型ミラ
小林大翔が操るダイハツL700V型「ミラ」は新規格軽自動車になったばかりの1999年式で、元々はシングルカムのNAエンジンを積むグレードだった。その状態では、新規格軽自動車NAモデルの東北660選手権でも勝ち目はなく、ツインカムターボで64psを発揮するEF-DETに換装。その作業のほとんどは自分で行なったとのこと。昨年の最終戦が実質的なデビューとなった。
ちなみに、車検証に記載されるエンジン型式はEFだけなので、NAからターボに載せ替えても公認車検の取得が不要なのも魅力だ。後継のL250型やL275型のミラよりコンパクトなボディは動きがクイックだし、軽さは強力な武器となる。NAとターボの違いこそあれど、東北660選手権では一時代を築いたクルマであり、アフターパーツやセッティングのノウハウも豊富で、戦闘力はまだまだ高い。
現在のところチューニングは吸排気系や足まわりなど、普通のライトチューンで、ブーストアップもしておらず、今シーズンを戦いながら少しずつ進化させたいとのこと。それでも最初から7点式のロールケージを装着するなど、安全面に手を抜いていないクルマ作りは高く評価できる。
ブーストアップでライバルに追いつけるか
足まわりはシュピーゲルのプロスペックライントレースで、スプリングはフロント10kg/リア8kgと一般的なレート。パワー系はマフラーやフロントパイプこそ社外品に交換しているものの、ブーストが0.9kg/㎠と低いため、ストレートで引き離されるシーンも多い。ポテンシャルを発揮するためにもブーストアップを急ぎたいと小林は話す。
小林が参加した3クラスは車両規則でECUの書き換えが認められており、他のクルマはほとんどがブーストアップ仕様という不利な状況だった。L700のEF-DETは純正ECUの書き換えが可能なので、パワーでライバルと肩を並べるのはそう難しくない。
それだけに、デビュー戦はタイムも順位も不本意な結果に終わってしまったが、オフシーズンの間にクルマもドライバーも大きく進化を遂げているはずだ。数少ないダイハツ車である小林の戦いぶりに注目したい。
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