
アメリカ・テネシー州で、仮里親ボランティアをしている女性の元に、保護施設から連絡が入った。
妊娠した猫を保護したので、安心して出産できる場所を探しているという。女性はすぐに引き受けることを承諾し、マギーという名のお腹の大きな猫が家にやってきた。
到着してわずか3時間後の夜10時頃、マギーの陣痛が始まった。まるで安全に産める場所に来るのを待っていたかのようだ。
そしてなんと、9匹の子猫が誕生したのだ。普通の猫なら1回の出産で平均3~5匹の子猫を産むのでその倍だ。
まさかこんなにたくさん産むとは!女性はびっくりしたそうだが、母子ともに元気だという。
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到着して3時間後に出産が始まる
マギーがテネシー州ナッシュビルの仮里親ボランティアのチャンドラー・アルテリさんの家に着いたのは午後7時ごろだった。
最初は部屋を静かに歩き回っていたのだが、夜10時になると、突然陣痛が始まった。

「まるで安心できる場所に来るのを待っていたみたいだった」と、アルテリさんは語っている。
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最初の子猫が生まれてからは、次々と子猫が出てきた。1匹、2匹、3匹……。止まる気配がなく、出産は深夜まで続いた。
「まさかこんなにたくさん生まれるなんて。次から次へと出てくるのよ」とアルテリさんは驚いた様子で振り返っている。
7匹生まれた後に2匹追加、合計9匹の子猫たち!
午前0時を過ぎた頃、7匹目の子猫が誕生した。マギーは明らかに疲れ切った様子だった。
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それまでずっと付き添っていたアルテリさんだったが、これで出産も終わりだと思い、母子の健康を確認したうえで、寝室に戻ることにした。
だが翌朝、マギーの様子をリビングに見に行った彼女は思わず声を上げた。
「まるでクリスマスの朝のようだったわ。彼女と赤ちゃんたちを見てワクワクしていたんだけど、よく見たら2匹増えてたの!」
なんとマギーはアルテリさんが寝たあとにも子供を産んでいて、子猫が9匹に増えていたのだ。
通常猫は1回の出産で平均3~5匹の子猫を産む。多くても8匹だ。9匹というのはさすがに多い。マギーはよくがんばった。
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子育てに奮闘するマギー
出産を終えたマギーは、すぐに母猫としての本能を発揮した。
9匹すべての子猫に丁寧に授乳し、毛づくろいも欠かさなかった。

その様子を見たアルテリさんは「どの子にも平等に愛情を注いでいた。本当に立派な母親だった」と話している。
子猫たちはナッシュビルで生まれたれということで、カントリーミュージックのレジェンドたちの名前を付けられた。
ナッシュビルは「カントリーミュージックの聖地」とも呼ばれる音楽の街で、全米からアーティストが集まる場所として知られている。
子猫全員に家族が見つかる。そしてマギーにも!
数週間後には、すべての子猫たちが新しい家に引き取られた。そして少し遅れて、マギーにも新しい飼い主が見つかった。
9匹の子猫を育てあげたマギーは、現在、新しい家庭で穏やかな日々を過ごしている。
アルテリさんは「彼女が今、自由で幸せそうに暮らしているのを見て本当に嬉しい」と語っている。
一匹の猫を助けたことが、多くの命につながった。そしてその命たちは、新しい場所でまた別の物語を紡いでいくことだろう。

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