
大谷の後続としてマウンドに立つカスパリアス。(C)Getty Images
現地時間6月16日に663日ぶりのマウンドに上がってから中5日。本拠地でのナショナルズ戦で今季2度目となる登板を果たした大谷翔平(ドジャース)は、1回(18球)を投げ、無安打、無失点、2奪三振と好投した。
【動画】大谷翔平が今季2度目の先発 スプリットで三振を奪うシーン
この日は打っても、ダメ押しとなる26号2ランを含む4打数2安打5打点3得点と打棒爆発。まさに「投打二刀流の真髄」を見るような一日となった。
わずか1イニング、それも18球しか投げていないことを考えれば、そこまで大きな負荷はないのかもしれない。それでもキャリア2度目となる右肘への手術から慎重に再起を遂げようとしている当人にとっては、重要なステップとなったのは間違いない。
そんな偉才の凄まじい活躍を目の当たりにし、ドジャースの同僚たちも小さくない刺激を受ける。この日に大谷からバトンを受け、2回からマウンドに立って5回(77球)を投げたベン・カスパリアスは、ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のインタビューにおいて「彼と同じ試合に名を連ねることはちょっとした勲章を得た気分になる。本当に特別なことだと思っている」と強調。打者としても傑出したパフォーマンスを続けながら、投手として復活を遂げようとする姿を称えた。
26歳の右腕がとりわけ驚くのは、大谷のプロフェッショナルな姿勢だ。「彼は誰にも負けないぐらいに完璧に仕事をこなしてしまうんだ」と目を丸くしたカスパリアスは、報復死球騒動も起きた現地時間6月19日のパドレス戦での振る舞いを含め、日本人スターを次のように褒めちぎる。
「彼は野球界で一番のジェントルマンだと思う。何よりも僕がかっこいいなと思うのは、毎年あれだけのことをフィジカル的にやってのける信じられない能力があるスターでありながら、あの謙虚さを持っていることだ。そして誰よりも努力家なんだ。あの時(大谷が死球を受けたパドレス戦)だって、僕らはどうなるかは分からなかった。でも、彼は片手で止めてしまったんだ。あれ以上に良い対応を想像できない」
マイナーでは先発投手としても活躍していたカスパリアス。それだけに試合途中、それも序盤からの登板は容易ではないはずである。それでも「キャッチボールとかの準備段階から大袈裟に物事を考えないようにしている」という26歳は、“リハビリ投手の後続”という難しいタスクも意に介していない。
ここから順調にステップアップしていけば、2回、3回、そして5回以上とイニング数の増加も期待される大谷。その役割の変化によってカスパリアスの起用法がどう変わっていくかも興味深いものとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

コメント