コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は『勘違いから始まるドル活の話 』を紹介する。作者の恵茂田喜々さんが、5月17日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、恵茂田喜々さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

【漫画】本エピソードを読む

■“ドル活”は2つあると知った日

アイドルが好きな人見は、職場の同期である花形が気になっている。ある日、ふと聞こえてきた“ドル活”をしているという会話から自分も“ドル活”をしていると話しかけると、土曜に2人で予定を組んで出かけることに。

当日、合流した花形はドールの入った鞄を持っており、そこで人見は“ドル活”がアイドルではなくドールを指していることを知る。その後素直に勘違いしていたことを伝えて花形と彼女のドールであるゆきにも頭を下げた人見。

すると、ドールに話しかけたことから適性があるとして、2人はドールの店へと向かうことに。さまざまなドールを見る中で、人見は“推し”アイドルによく似たドールと出会い…。

この“ドル活”を描いた漫画を読んだ人たちからは、「読んだら見に行きたくなる」「お互いに器が大きいなあ」「互いの好きを尊敬してるのが好き」「末永く爆発しろ」など、多くのコメントが寄せられている。

■インスピレーションは幼馴染から

――『勘違いから始まるドル活の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

ドールに関係する漫画は前々から描いてみたいなと思っており、今年の3月7日のスマホのメモ帳に「ドル活をドールの活動と思ってる人とアイドル活動だと思ってる人がドールに沼るはなし」と思いついたネタをメモだけしていて、いつか描きたいな~でもまだ思いつかないな~とそのままにしていたのですが、同月の3月17日に自分がカスタムしたヘッドを幼馴染に里子としてお迎えしてもらったのですが、スゴい勢いでハマってメロメロになっていくのを間近で見て、これだ!とインスピレーションが降ってきて、ひとまずそのままの勢いで描きました!

――本作では、ドールというジャンルにはまっていく人見が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

人見くんの場合、もともと「素質」があったのもありますが(笑)。ドールと出会うきっかけはすぐそこに転がってるよ~楽しいよ~という感じで、「ドールって楽しいよ!」が漫画から伝わればいいなという点がこだわりです。また、最近はブラインドドールという手に取りやすい価格でクオリティの高いドールがたくさん出ていて(私自身もここからハマりました)、より気軽にドールと出会えるよ!なところを描きたかったので、そこが注目してほしいところかな?と思います!

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

やっぱり人見くんが「自分のドール」をお迎えしたところですかね~。はじめて自分のドールを目にした人見くんの「そっかー…」の表情がお気に入りです。作中でも花形さんが運命って言ってたみたいに、出会いって一期一会で運命だと思っているので…。それで話がちょっと逸れるんですが、また別の幼馴染の話で、上でお話しした幼馴染1とその幼馴染2と3年ぶりくらいに会って、2人して「幼馴染2をドールにハマらせよう。あわよくば今日ブラインドドールを1体お迎えしてもろて…」と画策していたのですが、その日ドール文化に触れた幼馴染2はその日ドールをお迎えしました(スピード感)。そんな感じで、出会いっていつ来るかわからない、どんなタイミングでくるかわからない、でもこうなることは決まってたのかもしれない運命ってところもあるよな、と思っています。そんな感じで、運命の出会いって素敵じゃないですか?!

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

実際の自分が体験したことや、友人知人の話を聞いたり見たり、あとは突然降ってきたりですかね!?あとは色んなコンテンツに触れて情報やインスピレーションを得たりとか…(糧になっていると信じて)。

――恵茂田喜々さんの作品は、登場人物の感情がストレートに伝わってくるように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

嬉しいです!ありがとうございます!表情や登場人物の感情・気持ちの表現はいちばん大事にしているところなのでとても嬉しいです。表情に関しては、眉毛の角度1ミリ、下まぶたの線が1つあるかないか等、些細な線のニュアンスだけでも違う表情になるので、自分がこれだ~!と思った表情になった時は思わず歓喜の雄たけびをあげています。あと、あまりデジタルデジタルしてる綺麗な線が自分には向いてないなと思っているので、アナログ感のある勢いのある線、生きた線を意識しています(間違えるとただ雑なだけに見えてしまうので難しいところです)。

――今後の展望や目標をお教えください。

この漫画を見てドールに興味を持っていただけたりをお迎えするきっかけになれたらいいな~と思っております!!あとは漫画家・クリエイターとして安定した生活が送れることです(切実)。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも応援ありがとうございます!!早く人見くんが大狂いするところ描きたいから続き待っててね~!!

『勘違いから始まるドル活の話 1』より/画像提供/恵茂田喜々さん