
映画「夏の砂の上」が、7月4日(金)より全国公開となる。本作は、6月13日より中国・上海で開催中の第27回上海国際映画祭のコンペティション部門に日本作品で唯一招待され、現地6月21日に行われたクロージングセレモニーで、“審査員特別賞”を受賞。レッドカーペットや授賞式に、主演・共同プロデューサーのオダギリジョー、出演の高石あかり、監督・脚本の玉田真也が参加し喜びを語った。
【写真】第27回上海国際映画祭の授賞式に参加したオダギリジョー、高石あかり、監督・脚本の玉田真也
■上海国際映画祭のクロージングセレモニーにオダギリジョー、高石あかりが登場
松田正隆による“読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞”の傑作戯曲を演出家・玉田の監督・脚本で映画化した「夏の砂の上」は、共同プロデューサーも務める主演のオダギリを筆頭に、高石、満島ひかり、高橋文哉、森山直太朗、光石研らキャストで贈る人間ドラマ。
この度、第27回上海国際映画祭のクロージングセレモニーに、オダギリ、高石、監督・脚本の玉田が出席。華やかなレッドカーペットを歩き、授賞式に参加した。日本映画で唯一メインコンペティション部門に選出され、「登場人物たちの感情の揺らぎや、表情の奥に秘められた痛みと優しさを、俳優たちの抑制の効いた演技、静謐なまなざしと繊細な映像美ですくい上げた作品」と評価されていた本作は、“審査員特別賞”を受賞。
オダギリ、高石、玉田監督が壇上に呼び込まれ、司会から祝意を述べられると、玉田監督は「大変光栄です。オダギリさん、高石さんの演技が土台になってこそいただけた賞」と俳優への感謝を語り、オダギリも「本当にうれしい。ありがとうございます」と思いを表した。
受賞式を終えた後、改めて本作の受賞を振り返り、本作で主演だけでなく共同プロデューサーも務めたオダギリは「海外で日本の作品が選ばれるというのは、ちゃんと伝わっているんだなと安心になるし、(映画作りを)これからも頑張っていこうという活力になります。よくよく振り返ると、自分は今回プロデューサーの立場でもあるので改めて嬉しいです」とプロデュース作品が初めて海外映画祭で受賞したことを喜んだ。
本作で海外映画祭に初参加となった高石は、「自分の俳優人生にとってすごく大切な作品。まずは日本の方に届けていきたい」、玉田監督も、「ずっと念願だった企画。考えられる限りの最高の出演者に集まっていただいてベストを尽くした作品のひとつの結果が出て嬉しい」と思いを語った。
1993年からはじまった上海国際映画祭は、中国で唯一、国際映画製作者連盟公認の映画祭として、映画文化の普及と映画産業の発展とを目的に、毎年10日間の会期中に国内外の約500作品が上映されている。今回、映画「夏の砂の上」は、今年15本の作品が選出されたコンペティション部門で日本作品唯一の上映となっており、審査員長はジュゼッペ・トルナトーレが務めていた。
上海国際映画祭の“審査員特別賞”の受賞は、日本映画では2002年に受賞した「リリイ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督)以来、2度目23年ぶりとなる。
■「夏の砂の上」 あらすじ
雨が降らない、夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子(松たか子)と別居中の小浦治(オダギリ)。働きもせずふらふらしている治の前に、妹・阿佐子(満島)が、17歳の娘・優子(高石)を連れて訪ねてくる。阿佐子は1人で博多の男の元へ行くため、しばらく優子を預かってくれという。
こうして突然、治と姪の優子との同居生活がはじまることに。高校へ行かずアルバイトをはじめた優子は、そこで働く先輩の立山(高橋)と親しくなる。不器用だが懸命に父親の代わりをつとめる治との二人の生活に馴染んできたある日、優子は、恵子と治が言い争う現場に鉢合わせてしまう。
※高石あかりの高は正しくは「はしご高」

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