
日本国内では4回目となったX Games。今回千葉から大阪へと会場を移し関西初上陸となった「X Games Osaka 2025」が京セラドーム大阪にて2025年6月20日(金)~22日(日)に開催され、BMX競技からはフリースタイルの「パーク」、「パーク・ベストトリック」、「ストリート」そして「フラットランド」の4種目により世界最高峰のバトルが繰り広げられた。
また「パーク」では中村輪夢選手が、「フラットランド」では内野洋平選手が悲願の初X Games金メダルを獲得し、後世代々に語り継がれるような日本のBMX界の歴史を塗り替えるほどの記念すべき快挙となり、日本のアクションスポーツシーンにとっても特別な大会となった。
今回の「X Games Osaka 2025」は、会場を大阪市の中心にある京セラドーム大阪に置いたことで関西地域の各方面からのアクセスも良く、屋内で天候に左右されない上に、かつドームという特性上全ての競技が見栄えするコース配置の環境から、観客は世界最高峰のトップアスリートのパフォーマンスを非日常的な雰囲気の中で観戦。終始大熱狂の中で大会は進行していった。
さらに今大会の各種目は「パーク・ベストトリック」と「フラットランド」を除いて、X Gamesは今年から新フォーマットを導入。これによってどの種目も一度に予選から決勝まで進められるスタイルに変わり、観客にも勝敗の行方が分かりやすくなる中で、まさにこれが「X Games」というような各ライダーたちがこの雰囲気の中だからこそ魅せられる異次元の大技の数々と、その節々にBMXが持つカルチャーがふんだんに表現された戦いが見られた。
そしてX Gamesのもう一つの魅力は、大会ごとにその国と土地柄を象徴した特徴的なセクションが用意されることだ。今回は関西で初開催ということから、パークコースでは都会のど真ん中をイメージしたコースに様々なセクションも用意され、一方でストリートのコースでは大阪の人気観光地の「道頓堀」をモチーフにしたレイアウトの中に大小様々なセクションが設置されるなど、この特徴な両コースにどのようにライダーたちが短い練習時間の中で順応しセクションをフル活用して観客に魅せるライディングするのかが注目された。
本記事では今大会各種目での注目選手と日本人選手の活躍をまとめた大会レポートを紹介。
今大会にて最初のBMX種目となった「パーク」では、中村輪夢が追い求めた悲願の初X Games金メダルを地元・関西の地で見事獲得!
合計8名が出場したパーク種目はX Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形に。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行しその中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。
今回見事悲願の金メダルを獲得したのは、日本人唯一の招待選手として参加した中村輪夢。2019年の「X Games Minneapolis 2019」で銀メダルを獲得して以来、5年もの間X Gamesメダルを手にできていなかった中で、昨年の「X Games Chiba 2024」では銀メダルを獲得。世界王者の経験もあり様々な世界大会で強さを見せている彼だが、キャリアを通して見るとなかなかX Gamesのメダル獲得には縁がなかった。
その中で今回地元関西で開催されたこのX Games。ここでの金メダル獲得に誰よりも強い思いを持っていた彼は、決勝ラン1本目で「バックフリップ・バースピン to バーバック」、「フレア・ノーハンダー」、クオーターでの「テールウィップキャッチ to テールウィップ」などの高難度かつオリジナリティの高い唯一無二のトリックをハイエアーとスタイルを織り交ぜながら披露。地元の応援を力に変えたフルメイクのランで87.00ptをマークした。
銅メダルには「X Games Chiba 2023」金メダリストで、常に世界最先端を突き進むBMXフラットランド界をレベルを引き上げ続けているトップライダーの片桐悠。今大会でも予選と準決勝と異次元のルーティンを披露し、満を持して迎えた決勝ではなかなか自分の思うようにコンボをメイクできず苦戦を強いられた。
バイクを縦に跨ぐペダル軸のツーフットのバックワーズから体勢を変えながら構成する難しいペダル軸でのルーティンにトライし、タイムオーバーギリギリまでメイクを目指したが今回は惜しくもメイクとはならず。しかし今回金メダルを獲得した内野とは師弟関係である片桐。大会後はお互いを称え合う様子も見られ、BMXのカルチャーの良さを感じられる一面だった。とはいえこのまま負けているままとも思えないのがこの片桐。今後のさらなる活躍に期待していきたい。
大会結果

©︎Jason Halayko/X Games
BMXパーク
優勝 中村 輪夢(日本)/ 87.00pt
準優勝 マーカス・クリストファー(アメリカ合衆国)/ 84.66pt
3位 アンソニー・ジャンジャン(フランス)/ 82.00pt
4位 ローガン・マーティン(オーストラリア)/ 77.66pt
5位 ホセ・トーレス(アルゼンチン)/ 74.66pt
6位 ブライス・トライオン(アメリカ合衆国)/ 71.00pt
7位 ダニエル・サンドバル(アメリカ合衆国)/ 70.00pt
8位 ケビン・ペラザ(メキシコ)/ 63.00pt

©︎Jason Halayko/X Games
BMXパーク・ベストトリック
優勝 ライアン・ウィリアムス / オーストラリア
準優勝 ローガン・マーティン / オーストラリア
3位 ケビン・ペラザ / メキシコ
4位 ダニエル・サンドバル / アメリカ合衆国
5位 マイク・バーガ / カナダ
6位 ジェレミー・マロット / アメリカ合衆国
7位 ブライス・トライオン / アメリカ合衆国
8位 アンソニー・ジャンジャン / フランス

©︎Jason Halayko/X Games
BMXストリート
優勝 カレッジ・アダムス(スペイン)/ 91.33pt
準優勝 デボン・スマイリー(アメリカ合衆国)/ 90.00pt
3位 ジョーダン・ゴッドウィン(ウェールズ)/ 87.66pt
4位 ギャレット・レイノルズ(アメリカ合衆国)/ 87.00pt
5位 ボイド・ヒルダー(オーストラリア)/ 83.33pt
6位 ケビン・ペラザ(メキシコ)/ 80.66pt
7位 フェリックス・プランゲンバーグ(ドイツ)/ 78.00pt
8位 早田 颯助(日本)/ 56.66pt

©︎Jason Halayko/X Games
優勝 内野 洋平(日本)
準優勝 佐々木 元(日本)
3位 片桐 悠(日本)
4位 早川 起生(日本)
5位 ヴィッキー・ゴメス(スペイン)
6位 アレックス・ジュメリン(フランス)
7位 マティアス・ダンドワ(フランス)
8位 テリー・アダムス(アメリカ合衆国)
9位 ジーン・ウィリアム・プレボースト(カナダ)
大会概要
⼤会名称 : X Games Osaka 2025
開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。
※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。
会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA)
主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社
主管: 大阪府、大阪市
後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT
、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社
協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT
協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、
TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋
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