政府もプッシュするタイGPの実現なるか(C)Getty Images

 タイ政府が早ければ2028年のF1タイGPの招致を目指していることが明らかになった。バンコクで市街地レースを開催する構想を掲げており、ペートンタン首相が5月にモナコGPを視察し、F1のステファノ・ドメニカリCEOと会談し、F1招致案を伝えたという。

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 スポーツ専門局の『ESPN』によると、コースはバンコク市中心部の北側にあるクルンテープ・アピワット中央駅とチャトゥチャック公園がまたがる区域に造られ、全長は5.7キロ程度となる予定だ。17日にはタイ政府が閣議でバンコクでF1開催案を承認し、観光・スポーツ省から約400億バーツ(約1786億円)の予算も確保された。期間は2028~32年の5年間という。

 アジアでは日本、中国、シンガポールバーレーンアラブ首長国連邦(アブダビ)、サウジアラビアカタールが2025年のF1カレンダーに盛り込まれているが、過去には韓国、マレーシアインドでも開催された。

 特にタイはアジア人の最初のF1ドライバーとなったプリンス・ビラを輩出した国で、今季もタイ国籍登録でウィリアムズからアレクサンダー・アルボンが参戦中だ。

 オートバイモトGPも2018年からタイ東北部のブリーラムにあるチャン・インターナショナルサーキットで開催されているほか、過去にはスーパーバイク世界選手権、四輪の世界ツーリングカー選手権など数々の国際レースを同サーキットで行った実績もある。バンコクから車で1時間半の距離にあるバンセーンでも毎年、ハコ車の市街地レースを実施しており、コースマーシャルの教育も行き届いているという。

 F1は年間24戦を開催するなど飽和状態に近いが、既存のオランダGPは契約が2026年までで、ベルギーGPも2027年から1年おきの開催となる見通しで、タイGPが28年以降のF1カレンダーに組み込まれる可能性は十分にあり得る。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

2028年にタイでF1開催か 政府が「約1786億円」の予算確保で招致へ