
イ・ジェフンが主演を務める韓国ドラマ「交渉の技術」の第11、12話が6月8日にLeminoで配信され、前回から続いてジュノ(ジェフン)らM&Aチームが日本・静岡で契約交渉に臨むエピソードが描かれた。その中で、韓国映画「犯罪都市 NO WAY OUT」(2023年)で極悪非道なキャラクターを演じて話題を集めた日本の俳優・青木崇高が、今作では実直な職人である工場長のナイトウ役で主人公の前に立ちはだかり、強烈な印象を残した。(以下、ネタバレがあります)
【動画】父が残したメッセージ…“真実”を知って男泣きするナイトウ(青木崇高)
■ジュノらが日本の部品メーカーと交渉
「交渉の技術」は、M&Aの専門家である“伝説の交渉人”ジュノとそのチームによる究極の頭脳戦を描く企業ドラマ。2025年3~4月に韓国JTBCで放送された際には、回を重ねるごとに視聴率をじわじわと上げた話題作だ。
経営危機に陥った大手企業サンイングループ再建のため、11兆ウォンという莫大な資金の調達を託されたジュノ。順調にミッションを遂行していた矢先、サンインの株価の急落に見舞われる。株価を立て直すため、M&Aチームはグループの不安材料である自動車メーカー・ウインドの部品調達交渉を担当。11、12話では、日本の静岡にある部品メーカー・シミズとの水面下での交渉が描かれている。
■ナイトウが突然、態度を硬化
ジンス(チャ・ガンユン)がシミズ側の若手社員・ヒロセ(宮内ひとみ)と話してシミズの事情を把握、さらにジュノはシミズ側の部長・ヨシダ(三浦誠己)との事前交渉も行い、慎重に交渉を進めていくM&Aチームの面々。
だが契約書に押印する段階で、シミズの工場長・ナイトウが何かに気付き、突然「申し訳ありません。私は署名できません」と言い出す。これにはジュノらも、ヨシダをはじめシミズの面々も驚き当惑するばかり。
そんな中、ジュノはナイトウが態度を突然変えた理由を冷静に分析し、対応策を練る。
この11、12話で存在感を見せたのが、ナイトウ役の青木だ。ある事情でウインドへの不信感をあらわにしたナイトウ。ジュノが説得を試みても「よく分かりません」と聞く耳を持たず、ジュノの目を真っすぐ見据えて「一度約束を破った会社というのは、また約束を破ります。私はそれを分かってますから」と冷たく言い置き、会議室を後にした。
■マ・ドンソク主演映画で“極悪非道キャラ”熱演
ジュノの説得を「よく分かりません」と拒絶する様子や、ジュノに向けた不信感いっぱいの視線など、青木演じるナイトウの全身から立ち上ってくるのは、プライドを傷つけられた職人の怒りだ。
さらにその後、工場まで弁明にやってきたジュノたちに軽蔑の視線を投げ掛ける場面、そして、そこからある事実を知って涙を流すまで、ナイトウの感情の起伏が大きく上下しているのが分かる。父親の工場を継ぎ、実直にモノづくりの世界で生きる男の誇りを体現した青木に、視聴者からも「演技に引き込まれた」「ニッポンの職人の解像度が高い…!」の声が上がった。
青木と言えば、2023年にはマ・ドンソク主演のアクションシリーズ第3弾「犯罪都市 NO WAY OUT」で極悪非道な“ヤクザの解決屋”・リキを熱演。韓国映画初出演となったこの作品で、青木は血の気の多いキャラクターをすごみのある演技で見せ、クライマックスのマ・ソクト(ドンソク)との対決シーンでは、強烈なアクションも披露した。今回はそんなヴィランとは対極の実直な職人キャラクター。そのどちらにもハマる表現力はさすが、キャリア20年を超える実力派だ。
日本人キャストをすべて日本人俳優が演じ、日本と韓国の文化や交渉面での違いも繊細に描いた9~12話の日本出張エピソードを経て、13話からはサンインのソン・ジェシク会長(ソン・ドンイル)が個人株を担保に受けていた融資に端を発する問題が浮上。会社を守るため、ジュノたちが奔走する。
「交渉の技術」(全24話)は、毎週土日に2話ずつLeminoで独占配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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