
「このインスタントラーメン、爆うま」即席麺マニアおすすめ“暑い夏にこそ食べてほしい”スタミナ満点のご当地袋麺3選の画像一覧
インスタントラーメンハンターの大和イチロウです。私はインスタントラーメンを36年間、365日食べ続け、最近数えると30000食を超えていました。そんなマニアでもあり、最近では「中の人」としてカップ麺や袋麺などを監修する日々を過ごしております。マニア目線で、インスタントラーメンの最新情報をお届けするこの企画。
さて例年通り今年も暑い日が続いています。こんな暑い夏はしっかりと食べて体力をつけて乗り切りたいところです。そこでマニアが全国から探し出した“美味しくてスタミナのつく”この夏に食べたいご当地袋麺3選をお届けしたいと思います。ぜひご参考にしてください!
1. にんにくの聖地からやってきたやみつき間違いない一杯
にんにくの生産量日本一の青森県。その中でも1970年代から地元生産者が試行錯誤し、ブランド化に成功した田子(たっこ)町産のにんにく。“フルーティーにんにく”と称されるほど糖度が高くふくよかな香りが特徴の田子産にんにくをふんだんに使用したぜいたくな味噌ラーメンです。
田子にんにくを使ったオリジナル料理を出す銘店「OSTERIA GABU(オステリア ガブ)」。こちらのオーナーシェフがこの袋麺を作るにあたり、最も難しかったのが、実は田子にんにくは加工には向いていなかったこと。美味しさの特徴でもあった「糖度の高さ」が裏目に出てしまいました。糖度が高いため焦げてしまう問題が出ましたが、色々な人々の知恵によりなんとかクリア。
こちらは調理例となります。田子にんにくは甘さとマイルドなテイストなので通常の量では難しく、すりおろしとダイスカットを組み合わせスープの中にたっぷりと使用しています。青森産に徹底的にこだわったのは味噌にも表れています。青森の津軽味噌を使用し、豚骨、鶏ガラ、魚介の旨みをブレンド。
「田子にんにく味噌味」を実食
田子のにんにくのうまさがダイレクトに伝わってくるのはさすがです。「味よし、香りよし」と謳われるほどの田子にんにく。また津軽味噌を使い相性を徹底的にこだわった味噌スープはにんにくとのハーモニーを奏でるよう計算し尽くされた一杯。さらに青森県産の特製りんご果汁入りとトコトン「青森」。
麺はちぢれ中太麺でスープとの絡みはバツグン。麺をリフトアップするごとににんにくと味噌の芳醇な香りが鼻をくすぐるのがうれしい。麺の太さで香る分量が変わるので、とてもバランスの取れた麺のチョイスにも試行錯誤の努力を感じずにはいられない仕上がりです。
田子にんにくは国産にんにくの中でも高級品の部類。それをふんだんに使用しているので間違いなくお買い得です。
2. あの“つけ麺TETSU”の創業者が新たなる食べ方を提案してきた一杯
東京ラーメンオブザイヤー「新人汁なし部門」第1位に輝いた栄冠の一杯が袋麺として登場。あのつけめん 『TETSU』の創業者である小宮一哲氏が、麺を主役においしいラーメンをつくりたい!と、たどりついたメニューが「釜玉中華そば」。
茹でたての麺に、生卵と醤油だれを絡めていただくラーメン業界の新しいスタイルを持ち込んだ一品。
業界に新しい風を持ち込む小宮氏。ストレート太麺の茹で時間はなんと驚異の10分!麺にこだわりを見せるナポレオン軒だからこその茹で時間です。
ちなみにですが、インスタントラーメン業界では、茹で時間の限界は5分といわれています。(これを超えると売れないというジンクスがあります)しかし、お店クオリティを追求した結果の10分は、実際食べると納得の茹で時間です。
「東京 釜玉中華そば ナポレオン軒」を実食
こちらは調理例となります。ナポレオン軒の実店舗メニューでもネギ+胡麻油+生卵をトッピングした形で提供されます。このレシピについては袋の裏面に詳しく作り方が載っていますので参考にしてみてください。実店舗では味変としてお酢やラー油、にんにくなどが用意されていますのでこちらはお好みでご用意してください。個人的なおすすめは柚子七味とにんにくの組み合わせが激変&激ウマでした。
太麺にしっかりと絡む醤油だれは鰹節とポークの旨みを噛むごとに感じられるように設計されています。甘辛な醤油だれと白髪ネギの組み合わせは、よく考えているなあと感心しました。
卵は熱々の時にしっかりと混ぜ合わせてください。シンプルな食べ方だからこそ、誤魔化しの効かない高品質な一杯であることは間違いありません。時間はかかりますがその分おいしさも倍以上です。
新しいラーメンの食べ方として自由度が高まった釜玉中華そば。トッピングも自由ですのでぜひ色々試してみてください。
3. 北海道で見つけたどこか懐かしい醤油テイストとお餅の出会い
北海道の餅の匠と麺の匠が手を組んで作った一杯。北海道でもち米を専門に取り扱っている名寄市「もち米の里ふうれん特産館」と80余年の製麺業を営む老舗・士別市「日の出食品」がコラボした一杯。
特に士別は盆地型気候で夏は30度以上、冬は−35度以下を記録するほど温度差が激しく厳しいエリア。そんな環境下で美味しい麺を育む匠の技が光った一品です。
麺は3日間じっくり乾燥させたこだわりのしっかりコシのあるちぢれ麺。餅は北海道名寄産「はくちょうもち」を100%を使用しているこだわりよう。ラーメン専用の切り餅がたっぷり2枚入りで、その丼の姿はまさに「もち」が主役のラーメンです。
ピリ辛濃厚な旨味がくせになるみそ味と豚骨・鶏ガラのWスープ仕立ての旨味が効いた醤油味があります。今回は醤油味を紹介します。
こちらが調理例です。もちはオーブンで焼いたのですごく膨らんでいます。少し香ばしく焼いた方がこのラーメンと相性が良さそうです。トッピングは海苔と卵と白ネギにしましたが、ほうれん草もオススメです。
結論から言いますと、スープとおもち、ものすごく相性がいいです。というよりおもちの存在感が麺とスープをさらに引き立てるので、中の人目線で見るとスタンディングオベーション的拍手喝采です!
「もちが主役のらーめん 醤油味」を実食
醤油スープですが、なかなか昔ながらの動物性油脂を感じられる力強いベースに、これまたしっかりした濃厚な醤油テイストが「THE中華そば」で心地よいです。
家系のコッテリしたのベクトルではなく、甘さも感じられる懐かしさと哀愁が感じられるスープです。個人的にはめちゃめちゃ好みで「推しの一杯」です!
麺は3日間じっくり自然乾燥させたこだわりのしっかりコシのあるちぢれ麺。士別市は日中の寒暖差が激しく、その気温差が麺の熟成に一役買っています。士別でしかできない麺のコシは、他の地域では味わえない美味しさです。餅と麺って相性どうなの〜?って思われている方、ぜひ一度食べてみてください。おもちが箸休め的存在として大活躍しています。
個人的にこんなに心地よい醤油ラーメンに出会えたのは奇跡。ホッとしたい時にぜひ食べたい一杯です。
食文化研究家・大和イチロウ
インスタントラーメン専門店・やかん亭代表。即席麺「一日一麺」を掲げ、36年間で30,000食を実食。
インスタントラーメン専門店やかん亭
ラーメンマニア・大和イチロウがその足と舌で日本全国から集めた絶品のご当地袋麺を取り扱う専門店。300種類を超えるおいしいラーメンが大集合!
https://yakantei.com/
文・撮影/大和イチロウ

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