岡本の負傷離脱が巨人に大きな影を落としている(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 交流戦は6勝11敗1引き分けの11位。波に乗ることはできませんでした。

 現在セ・リーグ4位、借金1の巨人です。昨年はセ・リーグ優勝を達成しながら、CS最終ステージでDeNAに敗退。今年こそは悲願の日本一を――とスタートした今シーズンですが、ここまで苦しい戦いが続いています。

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 プロ野球取材経験の豊富なライターは言います。

「苦戦の原因が不動の4番・岡本和真の離脱にあることは言うまでもありません。5月6日、阪神戦の一塁守備で走者とぶつかってしまい、左肘じん帯を負傷。復帰の目処は立っていません。編成サイドソフトバンクの大砲・リチャードを獲得するなど、右の長距離砲の不在を穴埋めしようと動きましたが、42打数4安打という極度の打撃不振で2軍落ち。本来ならチャンスメーカーの吉川尚輝が代役4番を務めているのが現状です」

 岡本がいないから、今季はしょうがない――。

 チームを覆うそんなムードに対して、前述のライターはこう異議を唱えるのです。

「元々、岡本のメジャー志向が強いことは周知の事実。早ければ今オフにも米球界挑戦はあり得る話です。ならば、岡本がいるうちに、編成サイドは『ポスト岡本』の準備をしなければいけなかった。右の大砲としては育成のティマ、フルプあたりが候補なのでしょうが、育成に甘んじているのが現状です。リチャードのトレード獲得はどうしてもツギハギ感が否めません」

 ならば、どうすればいいのか。プロ野球において補強の一丁目一番地ドラフトによる新人獲得です。

「今年の大学生では創価大の立石正広を筆頭に、法政大の松下歩叶、中央大の繁永晟、日本大の谷端将伍といった右の強打者が豊富です。立石はおそらく抽選になるので、果敢に競合に臨むなら外れ1位を誰にするのか、あるいは他の候補を『一本釣り』で確実に手中に収めるのか、プロでの伸びしろも含めた事前調査が重要になってくるでしょう。そして浅野翔吾萩尾匡也などドラフト上位組の奮起を促したいとともに、1位ルーキー・石塚裕惺の成長にも期待したいと思います」

 ローマは一日にしてならず。しかし巨人ファンはなかなか待ってくれないというのもまた、事実です。秋のドラフトの成功、さらには現有戦力の成長を祈らずにはいられません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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