
この記事をまとめると
■洗車に力を入れるクルマ好きは少なくない
■カー用品店には多くの洗車グッズが並んでいる
■進化する洗車技術について解説
汚れ落としは重要な作業
カー用品店などの洗車用品売り場に行けば、じつに多くの商品が並んでいる。ここを訪れたユーザーは、アイテムをひとつひとつ手に取りながら、どれがよいのか真剣に吟味していることが多い。それは、自身のクルマをきれいに保ちたいと思うドライバー心理が強く表れた結果なのではないだろうか。
一般に、洗車は車両のボディなどについた汚れを落とし、ワックスやコーティング剤でピカピカに仕上げるまでを指すことが多い。そのため、話題の中心がピカピカの立役者であるワックスやコーティング剤になりがちだが、下準備ともいえる汚れ落としも決して軽んじられない作業なのだ。
よく行われるのは、ホースやシャワーヘッドを使った水洗いだ。さらに、カーシャンプーの界面活性効果で汚れを浮かし、水をかけて汚れと洗剤を落とす。ただ、これでは水垢など頑固な汚れは落としにくいため、洗車ブラシやスポンジでこすり取らなければならないことも多い。
そこで注目されるようになったのが高圧洗浄機である。これはパスカルの原理と特殊なノズルで水に高い圧力をかけ、ボディに向けて噴射するというものだ。機種にもよるが、洗浄剤を混入できるような仕組みのタイプもあるので、それを使用すればカーシャンプーによる洗浄もこれ1台で行うことが可能。水圧で金属を切断する装置があるように、水の圧力は想像以上に強いので、頑固な汚れもきれいに落としてくれるのだ。
ここで驚くのは、使用する水の量である。ノズルから勢いよく噴射されるので、さぞかし大量の水を使用しているように思いがちだが、じつはバケツ1杯程度の水で車種によっては洗車を終わらせることも可能だという。ホースやシャワーヘッドを使用するより、節水になるというのは驚きだ。ただ、この製品はもともと家の外壁などを想定して開発された家庭電気製品だ。そのため、カー用品店やトラック用品店で見かけることがほとんどない。家電店、ホームセンター、通販などで購入する必要がある。
バケツ1杯程度の水で洗車が可能
洗車には当然ながら水、それもほとんどは水道水を使用するが、水道水は自然乾燥をさせる(きれいに水分を拭き取らない)と水シミが残る。これは、洗車した水に含まれている不純物が、乾燥によってボディに取り残されてしまうことが原因。個人の洗車ならまだしも業務として洗車をしている場合、洗ったクルマに水シミが残ってしまうとユーザーからクレームを入れられかねない。それを防ぐために、時間をかけてセーム皮などできれいに拭き取る作業が必要になってくる。
しかし、原因が水道水の不純物だとわかっているのなら、それを取り除けば問題は解決する。ということで、洗車に関わる事業者の間では純粋器の導入が進んでいるといわれている。これは、イオン交換樹脂を使用して、水道水の不純物を取り除くという装置。これに高圧洗浄機をつなげれば、まさに完璧な洗車になりそうだ。
さらに、エンジンルームや下まわりでも威力を発揮するのがドライアイス洗浄機だ。これらはユーザー自身が掃除することの少ない割に、油や道路にある汚れが付着して簡単に落とすことができない。とくにエンジンルームは電気、電子系部品も多いので、水洗いは慎重に行う必要がある。
しかし、ドライアイスを使用すれば水分の付着を防げるだけではなく、瞬間冷却による熱収縮と気化する際の体積膨張力を利用して、汚れを強力に剥離することができるのだ。業務用の頑固な部品汚れ洗浄は、サンドブラストなどを使用することが多いが、これなら本体を傷つけることなく広範囲を一度にきれいにできる。洗浄機器も、本体の材質や汚れの研究を重ねて進化を続けているのだ。

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