東北660耐久レース開幕! 吹雪が襲う厳しいコンディションで優勝を獲得したのは?

目まぐるしく変わる天候⋯24台が熱戦を展開

2015年にスタートした軽自動車による東北660耐久レースは、当初はエントリーが10台に満たないこともありました。しかし、ここ数年は学生クラスが広く認知された影響もあり、コンスタントに20台を超えるマシンが参加しています。2025年3月30日福島県二本松市エビスサーキット東コースで開催された今年の開幕戦では、目まぐるしく変わる天候のなか、24台による熱いバトルが展開されました。そのレースの模様をお伝えします。

注目は最大の激戦区3クラス

3月30日エビスサーキット東コースで開催された今年の開幕戦は、目まぐるしく変わる天候のなか、24台による熱いバトルが展開された。唯一のターボ車は2クラスの216#HMJMで、スズキHA36型「アルトワークス」を持ち込み総合優勝を狙う。予選はまったく無理をする必要がない状況だったが、それでも1分16秒357で総合ポールポジションを獲得。決勝は直線の速さを活かして淡々と周回を重ねたが、思ったより燃費が悪く、終わってみれば総合3位。次戦ではペースを落として給油回数を減らすか、ペースを上げて給油のタイムロスをカバーするか、チーム員と相談しながら作戦を練りたいとのことだ。

最大の激戦区は3クラス。ダブルエントリーとなる学生クラスを含めると11台で、そのうち過半数となる6台をHA36型アルトが占めたのもトピック。ECUの解析により速さは従来のアルトやミラに迫り、燃費のよさはライバルを寄せ付けないレベルで、耐久レースには格好のベース車といえるだろう。しかし、熟成の度合いではHA23型アルトなどに分があるようで、予選はエッセの2#爆走田中組がポールポジション、2位と3位はHA23、HA36のクラス最上位は4番手だった。

学生クラスのポールポジション382#DUMCブライダルアルトは、東北660の経験が豊富なドライバーを集め、3クラスでも3番手、総合でも十分に上位を狙える好ポジションから決勝に挑む。

決勝は吹雪に見舞われる波乱の幕開け

200分で争われた決勝レースは、天候が目まぐるしく変わり、時おり吹雪に見舞われる過酷なコンディションとなった。路面温度は上がらず、コースアウトやクラッシュも心配されたが、駆動系のトラブルによる車両回収が入ったほかは、大きなアクシデントはなかった。

見事3クラスを制したのは2#爆走田中組で、嬉しい初のポールトゥウィンとなった。準優勝の382#DUMCブライダルアルトは学生クラスでも優勝し、ダブルで表彰台を獲得。3位は、2024年の最終戦でリタイアに泣いた30#おちんぎん大好きレーシングミラ。

なお、学生クラスの準優勝は、19歳と20歳だけの若手チームで、2024年から箱替えしたHA23型アルトの680#NUMCおニューアルト。3位は、4番手と同一周回の接戦を制した103#APUMSC

東北660耐久レースを紹介

注目のHA36型アルトは、4位が69#GR99(株)RPS、K-school、5位は31#GGアルトAGSという結果だった。面白いのは、この2台の仕様や作戦だ。MT車の69#GR99(株)RPS、K-schoolはある程度ペースを抑えて無給油、2ペダルの31#GGアルトAGSは給油しての全開走行とアプローチは異なるものの、200分を走り抜いた結果は19.5秒という僅差。どちらもクラス優勝から3ラップ差だった。セーフティカーやピットインのタイミングに左右された部分もあるが、HA36の持つポテンシャルは十分すぎるほど証明されたといっていいだろう。

そして4クラス(ATまたはCVT車)は、829#チーム関東ARYが独走で総合優勝。もう1台の32#パワクラSリミ☆ノービス走GTは、前日の練習走行でクラッシュし、シングルカムで3速ATかつ5ドアのミラに主要パーツを移植しての出走となった。

第2戦は2025年7月20日福島県福島市のリンクサーキットで、シリーズ最長となる5時間の耐久レースが開催される予定だ。。各チームが工夫を凝らすドライバーとクルマの熱対策にも注目したい。

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4クラス優勝の829#チーム関東ARY