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Sクラスとの比較は不本意だった

メルセデス・ベンツのデザイナーによると、高級EV『EQS』の革新的なデザインが消費者に受け入れられるには「10年早かった」という。

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EQSは、新EVシリーズのフラッグシップモデルとして2021年に発売されたが、エンジン搭載のSクラスほどの販売台数には届いていない。この苦戦の大きな要因は、その先進的なデザインにある。メルセデス・ベンツは、2024年のモデルチェンジで従来型のフロントグリルデザインを採用し、保守的な層へのアピールを図った。

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EQSは2024年の改良で、保守的なグリルデザインを採用した。

メルセデス・ベンツのデザイン責任者、ゴーデン・ワグナー氏はAUTOCARのインタビューに対して、「EQSはおそらく10年早すぎたと思います」と語っている。

開発コンセプトが異なるにもかかわらず、エンジン搭載のSクラスと比較された時点で、おそらく運命が決まってしまったのではないかという。

ワグナー氏は次のように述べた。

「EQSは非常に先進的なクルマであり、もともとショーファーカー(運転手付きのリムジン)として設計されたものではありません。そのような意図はありませんでした」

「このクラスの多くの人々は、ショーファーカーには長いボンネットとステータス性を期待していますが、EQSはそこが異なります。まったく別のクルマです」

「もっと未来的なCLSやSクラス・クーペのような、別のマーケティング戦略を採用すべきだったのかもしれません」

メルセデス・ベンツはEQSの苦戦を受け、次世代モデルではEQSとSクラスを統合する。『Sクラス』としてブランド名とスタイリングを統一したうえで、エンジン搭載モデルとEVモデルの2種類に分ける方針だ。


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