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 アメリカ南東部で2025年6月26日、昼間の空を突き抜ける大きな火球が目撃された。NASAは火球が大気圏に突入したことを確認し、その衝撃波が地上に大きな音や揺れをもたらしたことを明らかにした。

 また、隕石の破片とみられる物体がジョージア州ヘンリー郡の住宅に落下し、屋根や床に損傷を与えたが、幸いにも怪我をした人はいなかった。 

 火球は、流星の中で特に明るいものと定義されている。大気中で蒸発したものも、隕石となって地表に落下したものも、一定以上の明るさで光れば、どちらも火球と呼ばれる。

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白昼にアメリカ南東部を明るく照らした火球

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 NASAによれば、この火球はジョージア州オックスフォード上空約77kmで最初に観測され、時速約4万8,000kmで南西方向に進んだ。

 ウェストフォレスト上空約43kmで分解し、TNTトリニトロトルエン)換算[https://ja.wikipedia.org/wiki/TNT%E6%8F%9B%E7%AE%97]によると、その際にTNT火薬約20トン分に相当するエネルギーを放出した。

 TNT火薬20トン分は、一般的に「小規模な爆弾」数十発分のエネルギーに相当するほど大きなものだ。

 今回の火球の衝撃波は広範囲に強い音や揺れを生じさせ、窓ガラスの振動やひび割れが報告されている。

2025年6月26日に発生した火球の破片を、5種類の異なるレーダー情報を合成して示した画像(NASA

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広範囲で目撃情報が寄せられる

 アメリカ流星学会(AMS)には南東部の各州から100件以上の目撃情報が寄せられた。

 また、サウスカロライナ州の米国立気象局(NWS)チャールストン支部によると、NOAA(米海洋大気庁)の雷観測衛星GOESが火球の筋状の光を検知した。

 また、ドップラーレーダー(ドップラー効果による周波数の変移を観測するレーダー)も落下する破片をとらえていたという

 場所はバージニア州ガズベリー付近、ノースカロライナ州との州境上空で、現地時間6月26日の12時51分から12時56分の間に観測されており、火球が広い範囲に及んでいたことを示している。

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雷観測衛星GOESがとらえたジョージア州上空の火球(NOAA )

ジョージア州の住宅に隕石の破片が直撃

 ジョージア州ヘンリーマクドノーでは、火球の目撃とほぼ同時刻に岩石のような物体が住宅の屋根を突き破り、天井と床に損傷を与えた。

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当局はこの物体が火球を生じさせた流星の破片、隕石の可能性があるとみて調査を続けている。けが人は確認されていない。

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