
この記事をまとめると
■シボレーの祭典として富士スピードウェイで「シボレー・ファンデー」が開催されている
日本初導入モデルと日本専用限定車を発表
カマロが2024年モデルで生産終了となって以来、いまや日本におけるシボレーのラインアップはフラッグシップスポーツのコルベットだけになってしまった。しかし、シボレーファンの熱狂度は、いまだ衰えてはいない。そう感じさせてくれるのが、「シボレー・ファンデー」だ。
「シボレー・ファンデー」は年に1回、富士スピードウェイで行われているサーキットイベントで、走行会はもちろんのこと、新型車や限定車の発表会あり、ドライビングアカデミーあり、コンクール・デレガンスあり、トークショーありと充実したコンテンツがめじろおし。多くのシボレーファンがこの日を待ち望む、まさにシボレーの祭典となっている。
そんな「シボレー・ファンデー」が2025年も6月14日に開催された。同イベントはこれまで、すべて晴天に恵まれてきたが、2025年は残念ながら雨がぱらつく曇天。それでも会場には、235台のシボレーと400名を超えるシボレーファンが駆けつけた。
集まったシボレーファンの最大のお目当ては、富士スピードウェイのピットで初公開される新型車や限定車だろう。2023年にはハイパフォーマンスモデルであるコルベットZ06を、2024年にはコルベット初の電動化モデルにして全輪駆動のE-Rayを同イベントで日本初公開している。そして「シボレー・ファンデー2025」で公開されたのが、コルベットZ06コンバーチブルと限定車のコルベット・イエロージャケットエディションの2台だった。
コルベットZ06コンバーチブルは、2023年にこの地で発表されたZ06のオープンモデル。5.5リッターのV8DOHCエンジンから発せられる最高出力は646馬力とクーペモデルとまったくの同スペックで、48km/h以下であれば走行中でも操作が可能なハードトップは、約16秒でクーペからオープントップへとトランスフォームする。そのほか、クーペではオプションとなっていたカーボンセラミックブレーキをZ06コンバーチブルでは標準装備としているのも注目だ。
発表会に登壇したGMジャパンの若松社長も「Z06の圧倒的なパフォーマンスをオープンエアで存分に味わっていただきたい」とこれまで日本には導入されていなかったZ06コンバーチブルを紹介した。
一方の限定車、コルベット・イエロージャケットエディションは、その名の通りイエローのボディカラーをまとった日本だけの特別なモデル。このイエローはコンペティションイエローと呼ばれ、その起源は初代モデルにまで遡る由緒正しきカラー。C5以降のレーシングモデルには必ず採用されており、コルベットのプロダクションモデルに採用されたのはじつに30年ぶりだという。
そのほか、ブラックのスティンガーストライプやアクセントパーツ、ブラックを基調としたステルスインテリアトリムパッケージなどが組み合わされ、圧倒的な存在感と比類なきパフォーマンスが同居する。クーペ15台、コンバーチブル15台の計30台のレアモデルであり、来場したシボレーファンの注目の的となっていた。
富士の本コースを暴れまわるシボレー車
さて、ピットから本コースに目を向けると、コース上には常にコルベットを中心としたシボレーが所狭しと暴れまわる。
まずはE-RayとZ06(2台)そしてクーペとコンバーチブルの5台によるコルベットのフォーメーション・デモランが行われ、続いてシボレーオーナーが続々とコースインして国際サーキットを体験する。さらに、コルベットアカデミーのインストラクターによるサーキットタクシー、コルベットアカデミー受講者による本コース走行など、ほぼ1日中、富士スピードウェイの本コースはシボレーに占拠された。
実際に走行会に参加したオーナーはもちろんのこと、会場を訪れたファンも、コルベットを中心としたシボレー車の勇姿を心おきなく堪能することができたのではないだろうか。
新型車・限定車の公開と本コースでのシボレーによる走行とあわせ、もうひとつ「シボレー・ファンデー」の目玉となっているのが、パドックで行われるコンクール・デレガンスだ。これは、来場者や関係者、メディアの投票により、その日集まったシボレーのなかから1番を決めるというもの。カマロ部門、コルベット部門、メディア部門の3つが設けられる。
カマロ部門で受賞したのが2016年式カマロSS。全身に派手なエアロをまとう同車は、光の当たりかたによりグラフィックスが見え隠れする特殊なペイントが施されていた。
コルベット部門の受賞車は2024年式コルベットZ06。ご覧の通り同車は、WECに参戦しているC8コルベットZ06 GT3.Rのカラーリングを再現したものだ。
メディア部門では2006年式C6型コルベット・コンバーチブルが選ばれた。すでに発売より19年が経過している同車ではあるが、きれいな状態を維持していることが評価につながったようだ。
と、このようにコンテンツが満載の「シボレー・ファンデー2025」。最後は参加者全員による本コースのパレードランによって大円弾を迎えた。
コルベットとカマロが富士スピードウェイのホームストレートを埋め尽くす光景は、今後もこのイベント以外ではお目にかかれないことだろう。2026年も同じ景色を見られることを信じ、またこの地で再会できることに期待したい。

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