【写真・画像】 1枚目

 将棋の藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、22)が6月30日、ヒューリック杯第96期棋聖戦五番勝負第3局で挑戦者の杉本和陽六段(33)を破り、防衛6連覇を達成した。決着局では、藤井棋聖が解説陣を絶句させるほどの際どい玉寄りを披露。棋士たちを「怖いどころの騒ぎじゃない」と騒然とさせた。

【映像】危険すぎる玉寄りと解説者リアクションの一部始終

 まばゆいほどの光を放ちファンを魅了する藤井将棋の数々に、新たな“一手”が加わった。今期の棋聖戦決着局となった第3局・木更津対局。先手番の杉本六段が中飛車を志向し、シリーズ3度目の対抗形となった。長い序盤戦が繰り広げられたが、藤井棋聖が積極的な指し回しを見せて優位に。必死に反撃の道を模索した杉本六段だったが、藤井棋聖が圧巻の終盤力を見せて決着を付けた。

 終盤では藤井棋聖の“危険すぎる玉寄り”が話題に。ABEMAで解説を務めた高崎一生七段(38)は、弟弟子の杉本六段が強く踏み込みを決断した金打ちの一手に対し、「玉寄りは危なすぎるので、同飛車と取ると思う」と何度も指摘していた。しかし、これが“フラグ化“したかのように、藤井棋聖はわずか4分で“そのまさか”を指すこととなった。

 その瞬間、高崎七段は「え!?……そっちで受けきってるの…?」と絶句。同じく解説者戸辺誠七段(38)は、「かなり意表を突かれました。怖いどころの騒ぎじゃない(笑)」とし、「そんなに大長考でもなかったので、“感覚的に大丈夫”という感じだったんでしょうね」と驚きを隠せない様子だった。

 明るい人柄と分かりやすい解説で人気の戸辺七段は「いや~、見せてくださいますね!」と大興奮。ABEMAの「SHOGI AI」では瞬間的に形勢が互角になる場面はあったものの、あっという間に形勢は大きく藤井棋聖側へと傾いていった。様々な変化を検討した戸辺七段だったが、「盤面を見渡しても、何もないんですよ。何か一枚、アイテムが落ちてないかって探すんですけど…」「(藤井棋聖は)これを全部、大丈夫だと思って見ているんですか…」と若き王者の絶対的な構想力に言葉を失っていた。

 あまりにも美しい収束を見せた一局に、ファンからも「凄すぎ」「音速の寄せ」「何がなんやら…」「将棋すげえ」とコメントが殺到。棋聖戦五番勝負は藤井棋聖の勝利で幕を閉じたが、休む間もなく7月5日には“真夏の七番勝負”・王位戦七番勝負が始まる。藤井棋聖が見せる“熱すぎる”夏には、どんな名局が生まれるのか。心躍る季節はすぐそこに迫っている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

「怖いどころの騒ぎじゃない」藤井聡太棋聖が見せた“玉寄り”が危険すぎる!解説棋士は絶句「そっちで受けきってるの…?」