
この記事をまとめると
■逆走は「通行区分違反」に該当する
■2日に1回ペースで発生しており70%前後は65歳以上の高齢者
■もし逆走してしまったり発見した場合は安全な場所に停車しての通報が最優先だ
逆走は2日に1回起きている
高速道路を走る際には、一般道とは少し違うルールがあり、それを守らなければなりません。
「高速自動車国道」、いわゆる高速道路は、交通の流れに制限を設けることで一般道よりも高速で安全に目的地に到着できるように整備された道路です。
具体的には、まず自動車専用として低速の車両を通れないようにして、速度差が大きくならないようにしています。
そして平面での交差を排し立体交差にすることで、流れが停止する部分を極力なくしています。また、フェンスやガードレールなどで一般道と分離することで、1方向の通行に集中できる環境にしています。
それらの整備とルールの設定によって、一般道より高速で安全に走行できる環境を作り上げています。そのため、交通の流れに沿わない動きが大きなトラブルを招いてしまう可能性が高くなります。ここではその代表的な事例の「逆走」について、少し掘り下げていきたいと思います。
■逆走について
高速道路上での逆走は、まず「通行区分違反」に該当します。
また、後退やUターン、横断などの流れに沿わない行為は「本線車道横断等禁止違反」にも該当します。
どちらも、罰則は「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」で、違反点数は「2点」、反則金は普通車で「9000円」となっています。危険の度合いを考えると軽いようにも思えますが、このようにきっちりと禁止されているというわけです。
ちなみに逆走は一般道でも禁止されています。よくあるのが一方通行路に侵入してしまうケース。これは「通行禁止違反」になり、違反点数は「2点」、反則金は普通車で「7000円」となっています。一般道の場合は少しの距離ならバックで戻ることは禁止ではありませんが、周囲の状況を見て行動しないと、2次被害を招く恐れがあるので注意しましょう。
■逆走は対岸の火事ではない!?
気を張って運転していれば、めったなことでは逆走してしまうことはないと思いますが、実際に2023年のデータを見ると、高速道路での逆走の発生件数は224件もあるそうです。
これは頻度でいうと2日に1回起きていて、そのうちの37%が分岐・合流部と出入り口で発生しています。なお、年齢で見ると7割弱が65歳以上となっています。
それを知ると、とても他人事とは思えなくなってきます。自分は気をつけていても、逆走に遭遇する可能性もあるので、備えておくことは必要でしょう。
慌てずに通報することが最優先
■もし自分が間違って逆走してしまった場合
高齢の人はもちろんですが、若いドライバーでも寝不足だったり疲れていたりでうっかり出口から進入してしまうという可能性は、まったくないわけではないでしょう。
もし逆走をしてしまった場合は、速やかに近くの安全な場所を探して停車し、ハザードランプを点灯しましょう。そして停車後は、ガードレールの外側などの安全な場所に避難してください。
携帯電話がある場合は110番に通報、または近くに非常電話がある場合は、ガードレールの外側を移動して通報します。
たとえ分岐部分がすぐそこだとしても、ほかのクルマがこちらを認識できずに衝突してしまう可能性はゼロではありませんので、気付いたらすぐ停止して上記の行動に移りましょう。
■もし逆走車に遭遇した場合
高速道路を運転中に逆走車に遭遇した場合、まずは慌てずに衝突や接触を避けられるように慎重に動きましょう。
同乗者がいる場合は携帯電話から通報を行い、ひとりの場合は最寄りのサービス(パーキング)エリアで非常電話から通報、あるいは料金所に向かってスタッフに知らせましょう。
間もなく通報を受けたセンターから、電光掲示板などで通行中のドライバーに警告が通知されます。
その警告を見たら、速度を落として危険がないと判断されるまで注意して走行しましょう。サービス(パーキング)エリアが近いなら、入って休憩してしまうのもアリだと思います。ちなみに逆走車は順走のつもりでいますので、こちらから見ると右車線を通行してくるケースが多いそうです。
高速道路では車両が高い速度で走っていますので、万が一の衝突などでの被害は一般道の比ではありません。常にそのことを最優先に考えて走行するようにしてください。

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