中山の守備でも貢献が続けば安定した戦いができそうだ(C)産経新聞社

 DeNA3連戦をいずれも完封勝利で飾り、幸先の良いレギュラーシーズンの再開となった巨人。6月29日の試合では赤星優志ジャクソンという防御率1点台の好投手による投手戦が繰り広げられ、2回に中山礼都がライトスタンドに放ったソロホームランが決勝点となった。

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 29日のヒーローとなった中山の活躍で勝利したわけだが、中山はDeNA3連戦すべてで6番・レフトとしてスタメン出場したものの、27日と28日の試合ではいずれもノーヒット。それでも、阿部慎之助監督の我慢の起用に見事に応えた。

 ここ最近、巨人の上位打線は安定しており、中山のような意外性のある選手を下位打線に置けるのは心強い。さらに、打撃面だけではなく守備面での貢献も目に付く。27日の試合では、6回表に佐野恵太が打った三塁線の打球を回り込んでキャッチし、素早く中継に投げて二塁を狙った佐野をタッチアウトにするなど好守も見せた。

 サードで出場する機会が多く、本来は内野手の中山。本職ではない慣れないレフトの守備ではあるが、目立ったミスは見られない。むしろ「中山のレフト守備、意外といけてるよね」「レフト中山、まじで投資価値あると思ってる」など、SNSにはその守備力を評価する声が多く寄せられている。

 とはいえ、外野の守備が評価されているのは中山だけではない。レフトに中山、センターにオコエ瑠偉、ライトに丸佳浩DeNA3連戦ではスタメン起用されたが、「中山、オコエ、丸の3人になってから外野の守備が良くなり、内野もリズムがいいし、今チーム状態もいい感じになってきた」とこの3人の守備の安定感を評価する声も少なくない。

 実際、28日の試合の6回表では桑原将志にセンターオーバーの飛球を打たれたが、オコエがフェンスに身体を軽くぶつけながらキャッチ。自慢の快足を飛ばして落下地点に最短ルートで到達できたからこそ、派手さはなく、“ファインプレーっぽく見せないファインプレー”と言える動きだった。

 この3試合では長打を1本しか許していなかったが、鉄壁の外野陣だったことが大きい。だからこそ、3試合連続の完封勝利につながったのだろう。中山、オコエ、丸の3人が守備からチームの勝利に導いていくことに期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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