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「変速」時の動きもシミュレート

メルセデスAMGは、今後のEVでエンジン車のサウンドやギアチェンジを疑似的に再現する方針だ。これまでのV8およびV12エンジン搭載スポーツカーの「エモーショナル」な要素を残そうとしている。

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新開発の『コンセプトAMG GT XX』の発表会で、メルセデス・ベンツの技術責任者であるマルクスシェーファー氏は、ドライバーを魅了するためにギアチェンジやV8エンジンの振動をシミュレートする可能性があることを示唆した。

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AMGコンセプトGT XX』の量産バージョンは来年投入される予定だ。    メルセデスAMG

同氏は、「ノイズ、サウンド、振動、ギアチェンジといった面で、クルマの印象はどのように変わるでしょうか? クルマは人の感情に訴えるものでなければなりません。それがAMGモデルのあるべき姿であり、まさにそれをAMG GT XXにひとつひとつ取り入れたのです」と語った。

コンセプトAMG GT XXの量産バージョンは来年発売予定で、ヘッドライトにV8のエンジン音を再生するスピーカーが内蔵されることが明らかになっている。そしてシェーファー氏の発言からは、運転の楽しさを高めるために、エンジンやトランスミッションの動きを音や振動で再現しようとしていることが伺える。

実際、ソーシャルメディアに投稿されたメルセデスAMG公式の動画では、プロトタイプが「ギア」をシフトダウンしながら減速し、停止する様子が映っている。

シェーファー氏は、こうした機能には英国のヤサ(Yasa)社が開発したアキシャルフラックスモーターの柔軟性が必要不可欠であると述べている。

「パワー、ドライバビリティ、サーキットでのパフォーマンスに関しては、本物でなければなりません。しかし、AMGは、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)の観点からも、エモーショナルな体験を提供します」

「(このクルマでは)V8、V12のレース志向のAMGモデルに現在備わっているすべての機能を取り入れます」

シェーファー氏は同時に、「ハードコアなV8ファンを電動車に引き込むことは難しい。純粋なEVでは、その役割は果たせないでしょう」と認めている。


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