石井は復帰登板を1イニング無失点に抑えた(C)産経新聞社

 阪神は7月1日の巨人戦(甲子園)に2-1と競り勝ち、3連勝で再び貯金を「10」とした。

 打線は初回、相手先発・西舘勇陽から先頭の近本光司がヒットで出塁、二死二塁から主砲・佐藤輝明が適時二塁打を放ち、先制に成功。

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 さらに3回も先頭の近本が二塁打とチャンスメークに貢献。一死三塁から今度は森下翔太が適時打を放ち、2-0とリードを拡げた。

 6回からは継投に入る。先発の才木浩人が5回5安打無失点で後につなぐと2番手で登板したのは左腕・及川雅貴。二死一塁となり、坂本勇人を迎えた場面で湯浅京己にスイッチ。しかしここで初球を坂本に捉えられ、2-1と1点差に迫られる。

 7回からは左腕・桐敷拓馬がマウンドに上がり無失点。そしてこの日、1番球場内のボルテージが上がったのは8回だった。

 この日から1軍登録された石井大智がマウンドに上がると大歓声が沸き起こる。

 石井は6月6日オリックス戦(甲子園)で頭部死球を受け、離脱。「脳振とう特例措置」により抹消となっていた。その後、リハビリを進め、6月29日ウエスタン・リーグ中日戦(SGL)で実戦復帰していた。

 先頭の泉口友汰への初球は149キロの直球でストライクを奪うと、一死から2安打を許したが、中山礼都を一ゴロ、門脇誠を左飛に打ち取り、1イニング無失点、最速は150キロを計測した。

 最後は守護神・岩崎優が締め、ゲームセット。先発・才木の後を5投手によるリレーで大事な巨人3連戦の初戦をものにした。

 石井はこれで25試合目の登板を果たし、防御率0.35、3セーブ、18ホールド、25.2回を投げ、与四球わずか4と引き続きの安定感あるピッチングを披露した。

 持ち味の力強い投球を見せたとあって、降板後は猛虎ファンの間からも熱い石井コールが沸き起こった。

 この日、先制適時打をマークし試合後のお立ち台に立った佐藤輝も同期、石井の復帰登板に関して「本当によく帰ってきてくれたと思いました」とコメント。続けて「いつも通りの素晴らしいピッチングを見せてくれたので安心しました」と、ねぎらいの言葉をかけることも忘れなかった。

 中継(NHK-BS)の監督インタビューでは藤川監督も石井に関してしっかり1イニングを任せられるピッチャーと認めながら「非常に強いピースですから」と絶賛、復帰を喜んだ。

 石井を欠いた後の交流戦の戦いでは7連敗を喫するなど、救援陣の防御率が急降下、改めて剛腕の存在の大きさが浮き彫りになっていた。

 そしてチームは粘りの継投で3連勝と、交流戦明けは再び勢いを示し始めた。今後も戻ってきた背番号69の勇姿に注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「本当によく帰ってきてくれたと思いました」阪神27歳救援右腕の復帰登板に甲子園、大歓声 圧巻の0.35 指揮官も「非常に強いピースですから」と絶賛