
小栗旬が主演した「フロントライン」が7月1日時点で興行収入11.6億円、観客動員85万人を突破したことを記念して、主要キャストを演じた小栗、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、窪塚洋介のメイキング動画とメイキング写真が公開された。
本作は、新型コロナウイルスを事実に基づく物語として、オリジナル脚本で映画化。関根光才監督がメガホンをとった。物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後、日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56カ国の3711人。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により、10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。
当時、日本に大規模なウイルス対応を専門とする機関は存在せず、急きょ対応することになったのは災害医療を専門とする医療ボランティア的組織のDMAT(Disaster Medical Assistance Team)だった。DMATとは、医師、看護師、医療事務職で構成され、大規模災害や事故などの現場におおむね48時間以内から活動できる専門的な訓練を受けた医療チーム。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされていない医師や看護師たちだった。
出動要請を受けたDMAT指揮官の結城(小栗)、厚生労働省の役人・立松(松坂)、DMATの医師・仙道(窪塚)と真田(池松)らは、何もかもが不明な状況のなか、最前線に対峙していく。クルーの羽鳥(森)は通訳として医師とともに対応にあたることになり、船の外では記者の上野(桜井)が豪華客船の状況を報道していた。
小栗のメイキング映像では、DMATが船内で対応するべきか葛藤する結城を演じるうえで、モデルになった阿南医師に当時の心境をヒアリングする様子、そして「それが人道的に正しいと思ったからです」というセリフの撮影に挑むまでがとらえられている。
厚労省からクルーズ船対応のために神奈川県庁に派遣された役人・立松を演じた松坂は、役柄について「型破りな感じもありつつ、正義感と冷静さ、向き合う事柄に対しての強い感情が同居している人物」と説明。DMATへ出動依頼を冷たく言い放つ姿に加えて、「僕は責任を回避しているんです。結城先生や他にも関わった人たちの善意や良心につけこんでいるんですよ」と吐露する姿も収められ、立松の葛藤が垣間見える。
池松の映像では、DMATの医師・真田役を演じるにあたり、監督と入念に話し合う様子や、「僕の家族のことは誰が考えてくれるんですか」とやり場のない不安を結城に明かすシーンが映し出される。さらに、窪塚の映像では、船内で指揮をとるDMATの仙道役を任された窪塚が、「映画の中でどれだけ自分が仙道として生きられるか」を追求し、撮影に臨む姿がとらえられている。
そのほか、クルーズ船のクルー・羽鳥を演じた森がモデルとなった和田祥子氏に当時の話を聞く様子や、記者の上野役の桜井が、結城(小栗)の「隔離期間を終えて家に帰れば何の問題もなく普通の生活に戻れる人たちばかりです。どうかそれを壊さないであげてほしい」という言葉に、報道マンとして心が揺れる様子を演じる姿も見ることができる。
「フロントライン」は全国公開中。

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