
第3世代eパワー搭載車を欧州で発売
日産は2025年9月に欧州で発売予定のCセグメントSUV『キャシュカイ』に、第3世代となる新開発の『eパワー』を搭載すると発表した。
【画像】第3世代eパワー搭載の新型キャシュカイに次期エルグランド 全16枚
『eパワー』はエンジンで発電した電力を使い、100%電気モーターで走行するシリーズハイブリッドシステムで、2016年にリーフのモーターと既存エンジンを組み合わせた第1世代が登場して以来、進化を続けてきた。
第3世代『eパワー』では、高い走行性能やスムーズで気持ちの良い運転経験を損なうことなく、燃費性能と静粛性を向上しており、ディーゼル車並みの航続距離とEV的なドライブフィールを提供する。
燃費はWLTPモードでクラストップレベルの4.5L/100kmに向上し、CO2排出量は102g/kmへと12%の削減を実現している。
新開発パワートレインと専用エンジン
第3世代『eパワー』では、システムの主要部品である『モーター』、『インバーター』、『減速機』、『発電機』、『増速機』をモジュール化した『5-in-1パワートレイン』を新たに採用し、コンパクト化と剛性と静粛性を高めた。
また、ハイブリッド専用設計の3気筒1.5Lターボエンジンは、熱効率42%を達成し、静かで効率的な運転を可能としている。
さらに潤滑油の変更や高効率ターボの採用、最終減速比の最適化などで高速走行時のエンジン回転数を従来より約200rpm低くすることで、騒音の抑制やメンテナンス間隔の延長が実現された。
ドイツ自動車連盟(ADAC)による燃費評価試験では、現行モデルの『キャシュカイ』と比較して、実走行条件で最大16%、高速道路では14%の燃費向上が確認されている。
電動化への新しい選択肢
日産は第3世代『eパワー』を電動化に移行する時代における新しい選択肢の1つと位置づけている。
モーターや制御系をEVと共用できることで、変速ショックや出力の遅れがない、滑らかな走りを実現する一方、エンジンによる発電でモーターを駆動させるため、EVのように充電に関する心配や設備投資は不要となる。
新しいものを求めながらも実用性を求める顧客にとっては理想的な選択肢となりえ、電動駆動の楽しさや魅力を体感することで、将来のゼロエミッション社会への移行にも貢献することができるシステムとしている。
第3世代『eパワー』を搭載する新型『キャシュカイ』は、英国サンダーランド工場で生産され、2025年9月より欧州にて発売、その後にアフリカやオセアニアへの展開が予定されている。
また同システムは、2026年に日本国内で発売予定の新型『エルグランド』、そして北米市場では新型『ローグ』への搭載が計画されている。

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