イ・ジェフンが主演を務める韓国ドラマ「交渉の技術」。Leminoで配信中の第17、18話では、11兆ウォン調達のミッションを粛々と進めるジュノ(ジェフン)にソン・ジェシク会長(ソン・ドンイル)から新たなミッションが課される展開が描かれている。成功すればサンインの役員に昇進する大事なミッションだ。一方で、ミッション遂行の裏でジュノがのぞかせたもう一つの顔にも注目が集まった。(以下、ネタバレがあります)

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ジュノ、サンインの役員昇進試験に挑む

「交渉の技術」は、M&Aの専門家である“伝説の交渉人”ジュノとそのチームによる究極の頭脳戦を描く企業ドラマ。2025年3~4月に韓国JTBCで放送され、視聴率をじわじわと上げて話題を集めた作品だ。

経営危機に陥った大手企業サンイングループ再建のため、11兆ウォンという莫大な資金の調達を託されたジュノ。着々とミッションを遂行するジュノらM&Aチームに新たに課されたミッションは、グループ傘下のゴルフ場「グリーンビューCC」の売却だった。

実はこのミッション、ソン会長からジュノへの“役員昇進試験”という位置づけ。それほど高値で売れる価値のある事業でもないことから、ジュノを高く買うイ・ドンジュン常務(オ・マンソク)もジュノ自身もはじめは“簡単な試験”という認識だった。

だが契約の段階になって初めて、匿名のままやりとりしていた交渉相手がジュノにとって因縁の相手であったことが判明。一気にゴルフ場売却に不穏な空気が流れ始める。

ジュノポーカーフェイスの“白蛇”ぶり発揮

この17、18話でも、“交渉の鬼才”らしくジュノの鮮やかな交渉ぶりが堪能できる。

ジュノとゴルフ場の購入希望者との仲介役、ドリーム証券のチェ・ソンイル理事(オ・リュン)との打ち合わせでは、金額交渉で「サンインに現金が必要なのはみんな知ってます」と足元を見るチェ理事に対し、表情一つ変えず「資金調達の計画は整っているのでゴルフ場の売却は必須ではありません」とさらりとかわし、チェ理事を圧倒。これにはチェ理事も帰り道に思わず「こちらが買い手側なのになんだか負けた気分だな。さすがは“白蛇(ペクサ)”だ」と本音を漏らした。

反対に「グリーンビューCC」のイ・ヒョンテク代表(ソン・ジョンハク)に対しては、代表の交代が売却の条件になることを最初の打ち合わせではっきり伝えるなど、有利かつスムーズな売却・引き渡しのため情報の出しどころを的確に見極めていく。

ジュノの狙い…カギ握る“先輩”役にイ・ソンジェ

“鬼才”ぶりを遺憾なく発揮する一方で、17話ではジュノが配達員の男性(イ・ソンジェ)に「先輩。頼んだ件はどうなった?」「俺も準備できた。役員になるよ」と話し掛けるシーンも。

男性が「理事会で再調査を反対されたら?」と尋ねると、ジュノは「そしたら誰が犯人か明らかになる」と意味深な口ぶり。これまでもジュノの兄が何らかの事件に関わり、命を落としたことが少しずつ明かされている。どうやらジュノは、サンインの役員にのし上がることで犯人捜しと復讐をしようとしているようだ。

いつもと違うジュノの一面に、視聴者からも「少しずつ背景が見えてきたね」「ジュノが本当にしたいことはお兄さんの復讐か…残り話数で目的遂行できるのか!?」の声が上がる。

この“先輩”を演じるイ・ソンジェは、ポン・ジュノ監督の映画「ほえる犬は噛まない」やキム・ギドク監督「人間の時間」など話題作に出演してきた実力派俳優。ジュノのもう一つの顔を知る数少ない人物として、終盤のストーリーの中で存在感を増していきそうだ。

「交渉の技術」(全24話)は、毎週土日に2話ずつLeminoで独占配信中。続く19-20話ではゴルフ場売却の件で「グリーンビューCC」に横領の疑惑が浮上する。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「交渉の技術」第17話より/(C)SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.