
●『鬼滅の刃』の強さが光るコア視聴層
視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(6月23日~29日)をまとめた。
○終盤を迎えてドラマの勢いが増す
この週のランキングは、フジテレビのドラマ作品の存在感が際立つ結果となった。 個人全体では『あなたを奪ったその日から』(カンテレ制作)が注目度70.3%で首位に立ったのを筆頭に、4位に『続・続・最後から二番目の恋』(68.1%)、10位に『波うららかに、めおと日和』(62.7%)と、トップ10に3作品がランクイン。終盤を迎えた同局ドラマの勢いを鮮明に示している。
また、コア視聴層では『鬼滅の刃』の強さが光った。土曜プレミアム『「鬼滅の刃」無限列車編特別放送』(フジテレビ)が4位、翌日の『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭潜入編』(同)が7位に入り、劇場版とテレビ編集版の双方が高い支持を得ている。
これらは7月18日の劇場版「無限城編」公開を記念した全7夜特別放送の一環で、特に28日の放送では「無限城編」第一章の本予告が世界初公開されたほか、新規収録ボイスで物語を振り返る特別映像も大きな話題を呼んだ。
フジテレビドラマの好調ぶりと、『鬼滅の刃』が持つ絶大な人気が、今週のランキングを席巻する結果となった。
○複雑な人間ドラマが観る者をくぎ付けに
個人全体ランキングで1位となった『あなたを奪ったその日から』。最終回を前にした第10話では、復讐と愛情の狭間で揺れる母娘の物語が、真実と向き合う重要な局面をついに迎えた。
北川景子演じる主人公・紘海が、育ててきた娘・美海(一色香澄)に自らが誘拐犯だと告白する場面は、視聴者の感情を強く揺さぶり、画面から目を離せない緊張感を生み出している。
美海が、実は大森南朋演じる旭の実の娘・萌子であるという事実。そして「お母さんが悪い人でもいい。ずっとお母さんの子がいい」という彼女の切実な言葉は、多くの視聴者の涙を誘った。血縁を超えた絆を確かめ合った2人は長野県姨捨へと逃避行を図るが、そこに実父が現れることで、物語はさらに複雑な人間ドラマの様相を呈し、観る者をくぎ付けにする展開に。
SNSでは「心臓ぎゅっとつかまれててしんどい。みんな幸せになる方法はどこなの」「号泣もんでした」「最終回が怖い…」といった感想が相次いだ。
復讐から始まった関係が真の母子愛へと変化していく過程は、現代社会における家族の在り方について、より深い問いかけを投げかけている。
●鎌倉の新たな魅力を紹介した『アド街』
コア視聴層3位(62.5%)、個人全体5位(66.1%)に入ったテレビ東京『出没!アド街ック天国』の舞台は、「鎌倉・稲村ヶ崎」。江の島、富士山、江ノ電という3つの絶景が一度に望める、まさに鎌倉の隠れた宝石のようなエリアが紹介された。
観光地としてにぎわう鎌倉駅周辺とは離れた「ローカルタウン」として親しまれる稲村ヶ崎は、山と谷が複雑に入り組んだ地形の向こうに大海原が広がる特別な場所。ゲストには女優の石田ひかりと湘南乃風のHAN-KUNを迎え、江ノ電沿線の静かな住宅街に隠れた名店や絶景スポットを紹介した。ベスト20では、稲村ヶ崎の岬、1259年創建の極楽寺、相模湾で獲れる新鮮な海鮮がトップ3にランクインしている。
番組では漁船経営者が営む「池田丸」の地魚料理、フランス人も魅了するバゲットの店、急な階段を上った先にある絶景レストランや、プロの料理人も通う古民家スパイス専門店など、地元民だけが知る隠れた名店が次々と登場。
他にも海の向こうに江の島と富士山を望める絶景の「稲村ヶ崎温泉」などが紹介され、従来の観光地とは違う鎌倉の新たな魅力を発見できる充実した内容で、夏の行楽シーズンを前に視聴者の注目を集めた。
REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。 この著者の記事一覧はこちら
(REVISIO)

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