
西日本では6月中に梅雨が明け、東日本でも7月5日から6日にかけて梅雨明けの予想が出るなど、今年は例年にない早さで夏が始まった。
そうした中、都市部を中心に「日傘男子」と呼ばれる、日傘を使う男性が増えている。
かつては女性のものというイメージが強かった日傘だが、近年の猛暑を背景に性別を問わず需要が拡大。記者も「日傘男子」としてデビューし、その効果を身をもって体感した。(弁護士ドットコムニュース・玉村勇樹)
●男性の使用率が着実に拡大美容医療のリゼクリニックが、10代〜40代の男性600人を対象に実施したインターネット調査によると、2024年に日傘を「使用している」と回答した人は17.8%にのぼった。前年の13.5%、2023年の8.0%から年々増加しており、需要の拡大がうかがえる。
さらに「男性が日傘を使用することに対してどう思うか」という問いには、87.4%が肯定的な回答を寄せるなど、日傘に対する意識も変わりつつある。
SNS上でも「日傘男子が増えている」「男だけど日傘を買おうと思う」といった声が目立つ。「ついに日傘を買った」と投稿した男性は「どこでも日陰になるの神すぎ」「もう日傘なしでは外出できない」と、その快適さを絶賛している。
●都市部の若年層に広がり日傘メーカー「サンバリア100」(本社・神戸市)の担当者によると、特に男性の購入が増えたのは2023年頃からという。男性の購入割合は、2020年には全体の3%だったが、2024年には7%まで増加した。
購入金額の伸びも大きく、男性の購買額は2023年に前年比120%、2024年には同130%と年々増加している。
購入者の中心は20代で、次いで30代と若年層が多い。地域別では東京都が最多で、神奈川県、大阪府が続く。徒歩移動の多い都市部で特に需要が高いことがうかがえる。
同社は日傘のメリットについて「美容目的にとどまらず、熱中症や暑さ対策としても有効。日焼けによる体調不良や疲労の蓄積も防ぐ効果がある」と説明する。
●「日傘男子」デビュー、即「涼しい」と実感記者は、車社会の福井県で育ち、これまで一度も日傘を使った経験はなかった。移動のほとんどを車で済ませていたからだ。
しかし、上京して3年。通勤時の暑さにはさすがに耐えきれなくなり、先輩の男性記者から日傘を借りて試してみることにした。
7月3日の東京都心の最高気温は33.8℃。平年より5℃以上高い強烈な日差しが、頭に容赦なく降り注ぐ。
緊張しながら日傘を差した瞬間、自分の周囲だけにできる影に驚いた。頭を照りつける直射日光が一気に和らぎ「涼しい…」と自然に声が漏れた。貸してくれた先輩記者も「そうだろう」と言わんばかりの表情だ。
SNSでは「日傘を禁止している学校がある」といった声も見かけるが、実際に使ってみると、これを禁止する合理的な理由があるのか疑問に思えるほど快適だった。
今年の夏は、例年以上に強い日差しと長い付き合いになりそうだ。少なくとも記者は、近いうちに自分用の日傘を買いに行くと心に決めている。

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