クリストファー・ノーラン監督の新作「オデュッセイア」のティーザー予告編が7月1日、「ジュラシック・ワールド 復活の大地」の全米上映館で披露され、映画ファンの間で大きな反響を呼んでいるという。

本作は2026年夏公開予定の神話アクション大作で、ホメロス古代ギリシャ叙事詩「オデュッセイア」を原作としている。ノーランは前作「オッペンハイマー」でアカデミー作品賞と監督賞を受賞しており、ハリウッド映画界での地位を確固たるものにした。

70秒間のティーザー映像は暗い海と曇り空の映像で始まり、重厚なナレーションが響く。「闇だ。ゼウスの法は粉々に砕かれた。私の主人が死んでから王のいない王国となった。彼はそれが勝てない戦争だと知っていた。そして、どういうわけか、どういうわけか彼はそれに勝った」

映像は海岸に打ち寄せる波へと続き、巨大なトロイの木馬が影となって現れる。トロイア戦争の勝利を象徴する一方で、その後の長い苦難を予感させる印象的なシーンだ。

物語の中心となるのは、オデュッセウスの息子テレマコス(トム・ホランド)が行方不明の父を探す展開。テレマコスは「父に何が起こったのか知らなければならない。最後に彼を見たのはいつだ?」と緊迫した表情で語りかける。ジョン・バーンサル演じる謎の人物は、嵐雲立ち込める海上で「オデュッセウスについては何も知らない。トロイ以来何も」と答える。

映像のクライマックスは、海上で流木にしがみつく男性の姿。マット・デイモン扮するオデュッセウスと思われるこの場面は、古代ギリシャの英雄が直面する過酷な運命を表現している。デイモンにとっては、「ジェイソン・ボーン」シリーズ以来の本格的なアクション作品となる。

「オデュッセイア」は製作費2億5000万ドルでノーラン監督史上最高予算となった。さらに世界初の全編IMAX撮影という技術的挑戦も注目されている。これまで宇宙と時間というテーマに挑んできたノーランが、古代神話の世界をどう描くかに関心が集まる。

キャストには、ホランドバーンサルのほか、ゼンデイヤ、アン・ハサウェイロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロン、ミア・ゴス、エリオット・ペイジらが名を連ねる。

「オデュッセイア」2026年7月17日に全米公開予定。

Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images