SBペイメントサービスは7月3日、EC利用実態調査の結果を発表した。調査は2025年5月21日6月5日、1年以内に物販サイトで商品を購入した10~80代の男女2,455人および1年以内にデジタルコンテンツ・サービスの支払いをした10~80代の男女1,857人を対象にインターネットで行われた。
○よく利用する決済手段「クレカ」が2~3割減少

ECサイトで物品もしくはデジタルコンテンツ・サービスを支払う際、よく利用する決済手段について尋ねたところ、1位は「クレジットカード決済」(52.2%以上)、2位が「PayPay(オンライン決済)」(32.0%以上)、3位が「楽天ペイ(オンライン決済)」(13.3%以上)という結果になった。過去5回(2018年度、2020年度、2021年度、2022年度、2024年度)、同様の調査を行った結果と比較したところ、「クレジットカード決済」を利用している人の割合が2018年から2025年にかけて2~3割減少しており、年々減少傾向にあることがわかった。また、「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」は増加傾向にあり、「クレジットカード決済」を追い越す勢いだった。また、物品の購入における「コンビニ決済」「代金引換」と、デジタルコンテンツ・サービスの支払いにおける「口座振替」「Pay-easy決済」も減少傾向にあることが分かった。
○携帯キャリア別、よく利用する決済手段

利用している携帯電話のキャリア別で見ると、物品もしくはデジタルコンテンツ・サービスを支払う際、全てのキャリアのユーザーにおいて、「クレジットカード決済」が1位、「PayPay(オンライン決済)」が2位に選ばれた。特にデジタルコンテンツ・サービスの支払い時は、ソフトバンク系ユーザーでは「PayPay(オンライン決済)」(45.3%)が「クレジットカード決済」(45.9%)とほぼ並ぶ形となった。また、NTTドコモ系、KDDI系、楽天モバイルのユーザーにおいては、各キャリアが提供するQRコード決済が3位にランクインする結果となった。
○消費者は決済手段を使い分けている

ECサイトで物品を購入する際によく利用する決済手段を、商材別に尋ねたところ、衣類・服飾雑貨、日用品・生活用品・ペット関連、食品・飲料などの生活関連消費財の購入では「クレジットカード決済」が1位で、次点で「PayPay(オンライン決済)」が約2割利用されている結果となった。また、高単価の商材(家具・インテリア、自動車関連、生活家電・PC・周辺機器)や衣類・服飾雑貨の購入では、「後払い決済」のニーズがあることが分かった。

ゲーム、電子書籍、動画・音楽などのデジタルコンテンツの支払い時においては、「クレジットカード決済」が1位、「PayPay(オンライン決済)」が2位、「キャリア決済」が3位に選ばれており、「キャリア決済」との親和性が他の商材と比べて高いことが分かった。

サービスの支払い時において、チケット、旅行・宿泊では、「クレジットカード決済」が74.4%以上と圧倒的な人気で、フードデリバリーでは「クレジットカード決済」の次に「PayPay(オンライン決済)」が37.4%とよく利用されていることが分かった。また、保険・証券や公共料金・税金の支払い時には「口座振替」のニーズがあることが分かった。

○クレカ決済以外に、QRコード決済の高いニーズあり

ECサイトでの物品購入時に最も利用する決済手段を男女別に確認したところ、男女ともに1位は「クレジットカード決済」、2位は「PayPay(オンライン決済)」、3位は「楽天ペイ(オンライン決済)」という結果になった。また、「d払い」も2.6%以上と上位に選ばれていた。

デジタルコンテンツ・サービスの支払い時に最も利用する決済手段を男女別に確認したところ、男女ともに1位は「クレジットカード決済」、2位は「PayPay(オンライン決済)」、男性3位は「d払い」、女性3位は「楽天ペイ(オンライン決済)」という結果になった。男性には「au PAY(ネット支払い)」も人気で、QRコード決済の高いニーズがあることが分かる。
○決済手段不足によるサイト離脱状況

ECサイトで物品もしくはデジタルコンテンツ・サービスを支払う際に、よく利用する決済手段がない場合どうするかを尋ねたところ、男女ともに56.5%以上が、そのECサイトでは購入せず離脱する傾向にあることが分かった。また、そのうち44.8%以上の人は他のECサイトもしくは実店舗で購入する意向があることから、購買意欲が高い人でも決済手段の不足が要因で離脱しており、ユーザーのニーズに応じた決済手段を取りそろえることは購買率を上げる重要な要素であると言える。
○よく利用するECモール

よく利用するECモールを尋ねたところ、男女ともに過半数の人が「Amazon」と「楽天市場」をよく利用していると回答した。また、「Yahoo!ショッピング」も男女ともに28.4%以上がよく利用しており、男性と比較して女性は「ZOZOTOWN」「Qoo10」「SHEIN」「Temu」の利用率が高いことが分かった。
○ネットショップ利用に関する前年からの変化傾向

物販サイトの利用に関して、2024年と比べてなにか変化はあったか尋ねたところ、「少しでも安く買えるECサイトを探して購入するようになった」と回答した割合が全世代で高い傾向となった。また、10~30代で「実店舗での購入よりオンラインでの購入が増えた」人が多い他、20代では「SNS(LINE、Instagramなど)経由でECサイトを利用するようになった」人が15.2%と、若年層でSNSと物販サイトの親和性が高くなってきていることが分かった。

物販サイトでの決済に関して、2024年と比べてなにか変化はあったか尋ねたところ、10代では「利用する決済手段の種類が増えた」人が多く、20代では「ECサイトごとに複数の決済手段を使い分けるようになった」、「手間なく簡単に支払いできることを重視して選ぶようになった」、「決済手段のキャンペーンやポイント還元を重視して選ぶようになった」人が多い結果となった。
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