【元記事をASCII.jpで読む】

短時間で大量に作成すること「のみ」を追求した結果

Q:「スロップ」ってなに?

A:「質の悪いもの」「雑なもの」と訳されることの多い「slop」が転じて、「生成AIによって粗雑に生成された低品質なコンテンツ」のことを指す。

 こうしたスロップは、SEOのみを重視していて内容がほとんどないWeb記事や、文法的に破綻した内容のブログ記事など、人間による編集や内容のチェックもされていないケースがほとんど。

 画像や動画についても、明らかに破綻した表現が使われていたり、ストック画像に音声を載せただけだったりと、非常に粗雑なものが該当する。

 近年の生成AI普及に伴って、アクセス数稼ぎのスロップコンテンツが増えているだけでなく、一部の国家ではプロパガンダに用いられることもある。たとえば、ウクライナへ侵攻しているロシア政府は、ニセ情報を拡散するために48時間に2万本もの大量なスロップコンテンツを作成して流布したとされている。

 安価で手間をかけず、曖昧なニセ情報を流すのに生成AIが利用される格好だが、そういった政治的な意図のあるスロップコンテンツは「スロパガンダ」と呼ばれることも。

 スロップであることを見抜くには、コンテンツが信頼できるメディアや研究機関、資料に基づいているかを確認することだ。「専門家によると」「関係者によれば」といった曖昧な出典は信用できないだろう。

 また、文章の内容が薄く、なんら有益な情報がない、同じ表現が繰り返されている、具体的なデータがないといったときもスロップと判断できる。画像や動画が不自然であることも疑う根拠になるだろう。

意味不明で低品質の記事や動画「スロップ」が大量にバラまかれるのはなぜ?