人はなぜウソをつく?

 3日に公示された参議院選挙。この期間に注意しないといけないのがSNSに出回るフェイク情報だ。そもそもフェイク情報の原因は人がウソをつくから。なぜ、人はウソをつくのか。精神科医でスポーツメンタルアドバイザーの木村好珠氏と考えた。

【映像】精神科医が解説 ウソを重ねると罪悪感が減る “脳のメカニズム”

 ウソには、「自分のため」「他人のため」「自分・他人のため」の3つの動機と「得するため」「損を避けるため」の2タイプが掛け合わさってパターン化される。中でも一番多いのは「怒られないために自分を守るウソ」だという。

 人はなぜウソをつくのか。木村氏は1つ目に「ウソをつく人は自分のことも騙している」と話す。

「人間は自分の中に不一致があることをすごく嫌がる。自分の中でウソをつくと、事実と言っていることに不一致が生じる。それを人間の脳は嫌がる。要は、都合のいいように解釈する、これを自己欺瞞という。自分自身の中で都合のいいように解釈するような騙し方をしている」

 続いて、2つ目に「ウソをつき続けると人はだんだん慣れてくる」という。

「人間の脳は、ウソをつくと本来であれば罪悪感が生まれる。恐怖、緊張、感情的な反応など人間の感情を司っている脳の部分である扁桃体という部分が、最初ウソをつくときには働く。しかし、だんだんウソをついていると扁桃体も慣れてきてしまうので、罪悪感を感じにくくなってくる。なので、ウソをつけばつくほど、よりウソつきになっていく」

 政治家など、人に見られる職業の人もウソをつくのはなぜか。

「例えば、政治家は選挙があるので自分をよく見せないといけない。政治家だけではなくアイドルであっても、応援してもらわないといけない。自分がキラキラしてそれを全面的に見せないといけないので、自分が得をするため、自分が損をしないためにもウソをつかなければいけない場合がある。ただ、表に出る人はバレてしまうリスクもあるので、私が思うのは、ウソはついちゃダメ、事実を盛るということにしたほうがいい。事実をどう綺麗に見せるかということを考えるのもブランディングの一つだと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

政治家など有名人なのに…人はなぜウソをつく?罪悪感が減る脳のメカニズムとは?精神科医が解説「ウソをつく人は自分のことも騙している」