6月は隠れた狙い目タイミングだった! 新車購入で好条件を引き出すなら6月がお得な理由

この記事をまとめると

■ 夏商戦入りする5月は販売停滞が定着しつつある

■ 登録車・軽ともに販売は前年超えで回復基調となった

■ 6月は好条件が狙える「隠れた買いどき」の月でもある

諸事情が重なって新車が売れない5月

 5月は大型連休が明けると事実上「夏商戦」がスタートすることもあり、コロナ禍以前ではそこそこ販売台数が稼げていたのだが、ここのところは4月と8月に並んで「もっとも新車が売れない月」を争うようになっている。

 過去にはディーラー自体が在庫車をもつことで短納期車が可能となる車種も多く、大型連休明けに受注しても当月内に登録(軽自動車は届け出)・納車が間に合うケースもあった。

 しかし、いまは販売現場で多くの在庫を抱えて新車販売を進めるというスタイルではなく、見込み発注して納期をできるだけ短くするという流れとなっているので、大型連休明けに受注して当月内に新規登録できるケースがかなり限定的となっており、大型連休前に受注したものの納車が間に合っていない車両の新規登録を進め、5月の販売実績にカウントすることが優先されているのが実状となる。

2025年5月の新車販売実績

 また、6月が暦年締め(1〜2月)での上半期末であり、四半期決算月でもあることから、6月に軸足を置いた販売促進活動が目立ってきているのかもしれない。ちなみに、4月は新年度に入ったばかりであり法人需要が少なく、しかも前月3月は年間でもっとも新車が売れる年度末月であり、その反動が大きい。8月は世のなかが夏休みムードで新車がなかなか売れずディーラーもお盆に長期休業するので、稼働日数が少ないことが影響して販売台数が少なめとなっている。

 自販連(日本自動車販売協会連合会)統計によると、2025年5月単月での登録乗用車の販売台数は19万1066台(前年同期比105.2%)となっている。2025年1月からの累計販売台数では、前年同期比で10万台ほど上積みとなっているので、2025年に入ってからは登録乗用車の販売状況は好調に推移しているようである。

2025年5月の新車販売実績

 また、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)による2025年5月単月の軽四輪乗用車の販売台数は9万1509台(前年同月比108.1%)となった。ブランド別トップはスズキとなり、スズキは軽四輪総台数でもブランド別トップとなっている。ただし軽四輪貨物ではダイハツにトップを譲っている。

6月は新車を買うのに絶好のタイミング

 定点観測している中古車販売店では、ここのところスズキブランド軽自動車の届け出済み未使用中古車が目立っている。スペーシアスペーシアギア、ワゴンRスマイルを差し置いて、ハスラーがとくに目立っている。ダイハツムーヴキャンバス、タフト、タントファンクロスあたりが目立っている。

2025年5月の新車販売実績

 2025年5月だけを見ても、軽四輪乗用車販売トップのスズキと2位のダイハツとの差は7000台強となっているので、スズキは躍起になって自社届け出(自社系ディーラー名義などでナンバーだけをつけて新車販売台数の上積みなどをはかること)をしなくてもいいのではないかと考えるのだが、それだけダイハツの攻勢が激しいということなのだろうか。

 前述したとおり、6月は暦年締めでの上半期末であり、四半期決算月となる。例年、スズキは目立って6月を意識して販売攻勢をしかけてくる。もちろんほかのメーカー系ディーラーも6月ということを意識しているが、現状では6月に受注しても当月内実績に反映させることは難しい。

 しかし、6〜7月が夏商戦となり、現状納車まで3カ月ほどかかる車種も珍しくなく、9月の半期決算月の販売実績を見越して動いていることもあるので、6月は意外なほど好条件で新車購入することが可能な月といってもいいだろう。現状では車両価格からの値引きは諸物価高騰などもあってなかなか拡大しないが、下取り査定額の上乗せや用品無料キャンペーン、低金利ローンキャンペーンなどが充実してくるので、狙い目の月なことには変わりない。

2025年5月の新車販売実績

6月は隠れた狙い目タイミングだった! 新車購入で好条件を引き出すなら6月がお得な理由