●ライフスタイルに合わせて仕事の場所と時間をアレンジできる「自由出勤」

この記事を掲載しているガジェット通信というニュースメディアは、未来検索ブラジルという会社が運営しています。

この未来検索ブラジルという会社、創立当初は開発者数名でスタートしました。仕事のスタイルもかなり自由で、それぞれの時間を持ち寄りながら、好きなときに好きな場所で仕事をしてきました。たまに大きなテーマに取り組むときは開発合宿をおこなって泊まりこんで開発もしていましたけど。

その後かなり人が増えて関わる人は100名以上になったのですが、できるだけ自由でいたいという根本の部分は変わっていません。

ですので、未来検索ブラジルはいまだ「自由出勤」というスタイルを貫いています。創業して10年以上経ちますが、ずーっと自由出勤で、それにあわせて制度をつくっています。

職種やプロジェクトによってはオフィスに行かなければ仕事にならないという場合もありますが、「どこで仕事していてもいい」という根本の部分は変わりません。

面白い例としては「通勤中の電車の中で仕事してもOK」というものがあります。通勤中PCで作業可能な場合、その時間も仕事したという形にできる、というもの。あくまでそうできる、というもので、通勤中も仕事しろ、と言っているわけではないです。通勤中まとまった時間がとれる人はそういうこともできる。電車の中は意外と集中できる空間だったりします。

通勤中に限らず、旅の途中でも仕事をすることができます。

こちらも同様、旅の途中に働けと言っているわけではなく、そういう選択もできる、ってことです。そこも自由。「旅の途中でも仕事できる」という形にすることによって、旅に出やすいって人もいます。

場所と時間を束縛しなくても仕事はできるし、それぞれの時間の使い方を尊重する、というスタイルなのです。

●自由出勤になると、リアル会議が減る

自由出勤の副産物、なのでしょうか。自由出勤になると、リアル会議が必要かどうか、よく吟味されるようになります。

みんなが常にオフィスにいるわけではないですし、仕事の時間や場所が自由ですからリアル会議のための時間と場所を合わせるのが難しくなってきます。ですので、本当にその会議が必要なのか、ということが都度よく考えられるようになりますし、不要ならば会議をバラシてしまうという判断もはやいです。惰性で続いている会議が少なくなります。惰性で続いている会議に出ることほど辛いことはないですから、これは大きな利点ですね。

実際、リアル会議は時間の使い方として無駄が多く、たいていの場合、それぞれの都合のよいときにメールでやりとりしたり、他の作業をしながらチャットをするという方法に切り替えたほうが効率よかったりします。

会って話すことが無駄だと言っているわけではないんです。雑談をしたりご飯を食べながら話す時間はめっちゃ大事です。なのでむしろ無駄なリアル会議を減らして、そういった方に時間を使う方が有意義なのではないかと思ってたりもするぐらいです。時間をバチッと決めて会議室で会議してるよりも、おやつ食べながら雑談などしている時のほうが良いアイデアが出るってこと、ありますよね。

また、会議が開かれるとなると、その会議の日まで作業や物事の判断が先送りになってしまいます。ひとたび会議が設定されると、その会議の日時が締め切りとなってしまい、「会議までに間に合わせればいいや」という考え方になり、先送りされてしまいがちです。ほんとはその場で解決できるようなものであっても。これはほんとに残念です。

というわけで未来検索ブラジル社は会議が少ないです。そうですね、多い部門でも定例報告会議を週一やってる、とか。少ない部門は月イチ。そんな感じです。内部の会議は少ないですが、外部とのブレストや情報交換という名の雑談は積極的におこなっています。

●自宅勤務の理由

未来検索ブラジル社では、本人がそう決めれば丸一日自宅で作業することも可です。これは「自宅勤務」と呼ばれてます。まぁ、そのまんまですが…。この自宅勤務をうまく利用すると時間を効率よく使えるようになります。なんたって通勤時間をなくすことができるのですから。

未来検索ブラジルの場合、自宅勤務をするのに特に理由を連絡する必要はありません。自宅勤務したい日には自宅勤務をするよ、ってことだけを関係者に伝えてくれればそれでいいですよ、ということになってます。

でもこれがしっくりこない人がいるようで、多くの人が、自宅勤務の理由を添えて連絡をくれます。

いくつかあげるとこんな感じです

・天気が悪くなりそうなので自宅勤務です(台風接近など)・子供が熱を出して保育所が預かってくれないので自宅勤務します
・宅配便が届く予定なので自宅勤務です
・猫が病気なので自宅勤務しながら様子をみます
・友達に絵を描いてと頼まれたので自宅勤務です
・料理(煮物)が途中なので自宅勤務します

いろんな理由がありましたけど、もちろんすべてOKです。そもそも自宅勤務をするかどうかは本人の判断に任されていて理由を添える必要はないのですから、どのような場合でもOKなのですが、一般的な学校や社会では、家にいる=サボリみたいなイメージもありますので、なんとなく理由を書かないと落ち着かない人もいるようです。「子供を病院に連れて行くので、自宅勤務にします」という人もいて、子育て中の人にとって自宅勤務は役に立つ仕組みのようです。ただ、本人の体調が悪いので自宅勤務という理由の場合は、無理をしないよう声をかけることにしています。

自宅勤務とは逆に、オフィスでやった方がはかどる、という人もいますよね。そういう人には24時間365日使えるオフィスがありますので、そちらで作業することができます。

自宅で作業するのも自由だし、オフィスで作業するのも自由、ということです。作業内容によって自分でやりやすい場所を選んでリラックスしたり集中したりできれば仕事ってはかどりますよね。

ただ、自由が多いと自分できちんと時間の使い方を考え、やり抜く力が本人に必要となります。それができないと周りに負荷をかけることにもなりますし、評価されません。自己管理が苦手な人がプロジェクトにいると、誰かがその人の時間管理や進行の管理までみてあげなくてはいけなくなります。それが積み重なると、新規プロジェクトに歓迎されなくなってしまいます。というわけで自己管理が苦手な人と自由出勤はかなり相性が悪いです。

●自分のライフスタイルにあわせ自分で仕事のスタイルをつくることができる自由
まぁ、こんな感じで、未来検索ブラジル社は長いこと自由出勤をつらぬいてきていますが、実際やってみるとよい点が多いと実感しています。

例えば東日本大震災の際には1ヶ月以上事務所への出勤を控えてもらう、という形をとりました。実家に戻って仕事してもいいし旅に出てもいい、オンラインになれるならどこから仕事してもいいですよ、ということなのですが、もともとリモートで仕事ができるように工夫がこらされていたので、大きな支障もなく、仕事を進めることができました。場所時間に束縛されないということが前提だと、柔軟で災害やトラブルに強い会社を作れるということを実感しました。

そしてなにより自由出勤だとライフスタイルにあわせた仕事のやり方を自分で考えることができるという大きな利点があります。

時間の使い方を自分で自由にコントロールできること。

これって本当に大事なことだし、かけがえのないことだと思います。

そんなこんなで未来検索ブラジルは、もうしばらく自由出勤を続けてみるつもりです。

(写真はすべて筆者撮影、仕事をしている未来検索ブラジルの人の様子)

未来検索ブラジル
http://razil.jp/
人材募集ページ
http://getnews.jp/recruit

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