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 最近、2つの解像度・リフレッシュレートの切り替えが可能なゲーミングディスプレーが増えてきている。例えば、1つ目はフルHD(1920×1080ドット)/〇〇Hzで、2つ目は4K(3842160ドット)/〇〇Hzで遊べるというもの。異なる解像度・リフレッシュレートをボタン1つで切り替える形だ。

この機能の名称はディスプレーメーカーによって異なっており、たとえば「デュアル解像度」「デュアルモード」などと呼ばれている。デュアルときくと2台のディスプレーを想像するが、まさか解像度デュアルになる時代が訪れるとは……。

 そんな2つの解像度を備えるディスプレーとして、今回はJAPANNEXTの「JN-IPS27G1632UF-HSP」(価格:6万4980円)を取り上げたい。

 JN-IPS27G1632UF-HSPは、フルHD/320Hz・4K/160Hzの切り替えが可能な27型ゲーミングディスプレーだ。製品ページを見ると、ボタン1つで解像度・リフレッシュレートを切り替える機能は「デュアルフレームレート(Dual Frame Rate)」と呼称されている。

 本稿では、JN-IPS27G1632UF-HSPのレビューをお届けしたい。デュアルフレームレートの特徴や使用感、機能面を見ていくので、最後まで読んでいただければ幸いだ。

フルHDは320Hz、4Kは160Hz!
どちらも”3ケタのリフレッシュレート”という衝撃

 まずは、JN-IPS27G1632UF-HSPの目玉というべきデュアルフレームレートから見ていこう。

 冒頭でも述べたが、IPS27G1632UF-HSPはフルHD/320Hzと4K/160Hzに対応している。1台のディスプレーで複数の解像度を切り替えられる機能も衝撃的だが、筆者が最初に驚いた点は、フルHDも4Kもリフレッシュレートが3ケタであることだ。

 1コマ1コマの速さで勝負が決まるようなゲームタイトル、たとえばFPSやTPS、格闘ゲームにおいてはリフレッシュレートの高さが重要だ。その際、JN-IPS27G1632UF-HSP の高いリフレッシュレートと応答速度0.5ms(MPRT)は立派なアドバンテージになるのだ。

 使用例を挙げると、リフレッシュレート重視のタイトル(eスポーツ系タイトルなど)はフルHD/320Hz、映像美重視のタイトル(AAAタイトルやインディーゲームなど)は4K/160Hzに切り替える感じだ。どちらもリフレッシュレートは3ケタなので、あとは解像度の好みやパソコンのスペックで最適なものを選ぶといいだろう。

 試しに、JN-IPS27G1632UF-HSPで「Call of DutyBlack Ops 6」(PC版)をプレイしてみることに。ディスプレー設定の項目をみると、フルHDは320Hz、4Kは160Hzのリフレッシュレートが適用されていることがわかる。

 ゲームをプレイしてみたら、フルHDも4Kも滑らかな映像を体験できた。なかでもフルHDの320Hzは筆舌しがたいほどの滑らかさだったので、ゲーマーの心を強く揺さぶること間違いなし。「JN-IPS27G1632UF-HSP、めっちゃラブリーやん」と、純粋に思った。

ボタン1つで2つの解像度を自由に切り替えられる!

 もう1つの驚きは、フルHD/320Hzと4K/160Hzをボタンで切り替えられることだ。解像度の切り替え方は、JN-IPS27G1632UF-HSP本体の[▲]ボタンを押すだけ。ボタンを押したあときに一瞬だけ画面が暗くなり、ほどなくして別の解像度に切り替わるイメージだ。

 ボタンを押すだけの簡単さは評価したいが、切り替わった解像度の情報を画面上に表示してほしかった。「あれ、いま切り替えた解像度はフルHDだっけ? それとも4K?」と誤解する場面が何度かあったからだ。主な対策としては、後述するOSDメニューでフルHDか4K(UHD)を確認することぐらいだろうか。

 表示面での惜しい点はあるが、2つの解像度のクオリティは申し分ないと感じた。とくに見事なのは4K。映像の滑らかさはもちろん、繊細さや発色のよさも評価に値するところだ。

 映像の明暗をはっきり表示させるHDRをはじめ、最大輝度300cd/m2・sRGB:100%、DCI-P3・92%のIPSパネル、AdaptiveSync(FreeSync)により、色鮮やかな映像体験を堪能できた。

 加えて、4Kの作業領域も魅力の1つで、その広さはフルHDの約4倍だ。ウインドウを複数表示させたり、1つの画面で別々の作業(テキスト&ネットサーフィンなど)をしたりするなど、マルチタスクの処理も容易になるだろう。ゲームに限らず、映像鑑賞やクリエイティブ、仕事の用途でも重宝するかもしれない。

 フルHD/320Hzと4K/160Hzを自由に切り替えられる機能は、実に斬新であり便利でもあった。珍しい物に目がない筆者にとって、JN-IPS27G1632UF-HSPはSF映画に出てくる未来のガジェットそのもの。本機のデュアルフレームレート機能を触ってみた結果、6万円台という価格はお買い得と感じた次第だ。

ゲームをより深く楽しむための機能が盛りだくさん

 前項ではデュアルフレームレート機能を中心に取り上げたが、ここからはJN-IPS27G1632UF-HSPの外観を見ていきたい。

 JN-IPS27G1632UF-HSPは27型のディスプレーで、画面サイズはおよそ幅614×高さ363×奥行64mm。個人差があると思われるが、27型は映像の迫力をちょうどよく感じられるサイズだ。

 また、本機は狭額縁(フレームレス)を採用しており、ベゼル幅は上左右約1.6mmで、液晶非表示幅は上が6mm、左右が6.7mm。液晶パネルを囲む縁を極限まで狭めたことで、画面の没入感を向上させることに成功している。27型の画面サイズと狭額縁の組み合わせが功を奏したのか、映像の没入度は非常に高いと感じた。

 続いては、JN-IPS27G1632UF-HSPの背面をチェックしていく。背面の中央に備える円形にはLEDが仕込まれていて、本体の電源が入ると点灯する仕組みだ。

 複数の色がランダムに発光するだけで、好きな色を固定したりライティングのバリエーションを変えたりすることは不可能。細かい調整はできないものの、ゲーミングらしいライティングが楽しめるようになっている。

 今度はJN-IPS27G1632UF-HSPのインターフェースを見てみる。入力用のHDMI×2基とDisplayPort×2基が備わっていて、どちらもフルHD/320Hzおよび4K/160Hzに対応している。充実した映像入力端子もまた、本機を購入する決め手になるだろう。

 JN-IPS27G1632UF-HSPには、没入度高めのフレームレスデザインやLED搭載の背面、充実のインターフェースなど、ゲームをより深く楽しむための機能が備わっている。デュアルフレームレートの凄みが一番のウリだが、快適なゲームプレイを実現させる機能も申し分ないと感じられた。

JAPANNEXT名物の昇降式多機能スタンドが便利な件について

 JN-IPS27G1632UF-HSPのスタンドはプラスチック素材でできているが、銀メッキで彩られているからか、6万円台とは思えぬ高級感が際立っていた。ここで注目すべきは、JAPANNEXT製品でおなじみの「昇降式多機能スタンド」だ。

 昇降式多機能スタンドは高さ調節をはじめ、スイーベル(左右ともに30度の水平操作)やチルト(-5度~15度の前後傾き)、ピボット(右90度の回転)ができ、自分好みの画角でゲームプレイや作業、映画鑑賞などが可能だ。

 昇降式多機能スタンドの利点は、画角を自在に調整できるところ。デスクに座った状態でパソコンを操作したり、ベッドに寝転がった状態で家庭用ゲーム機を遊んだりする際にスタンドの調節機能が役立ちそうだ。

 ユーザーに適した画角を見つけ、調整することでQOLが上がるのではないかと筆者は考えている。そういう意味でも、通常のスタンドよりも昇降式多機能スタンドのほうが使い勝手は抜群だ。昇降式多機能スタンドが搭載されていると心がつい躍ってしまうのは、筆者だけだろうか……。

OSDメニューをチェック
仕事にも便利なマルチウィンドウモードも搭載

 JN-IPS27G1632UF-HSPのOSDメニューで利用できるものは、画面の明るさ・コントラストのほか、画質調整、色温度、OSD設定、リセットなど。メニューの操作については、右側の底面にあるボタンで行なう。OSD用のボタンは、手を伸ばして操作しやすい配置と、確かな押下感が評価のポイントになっている。

 画面に表示されているOSDメニューを見ながら底面のボタンを操作するわけだが、慣れないとうっかり電源ボタンを押してしまうことも。説明書でボタンの配置を確認してから操作してみるといいだろう。

 OSDメニューの中で個人的に面白いと感じた機能は、「マルチウィンドウ機能」だ。主な機能は、複数の入力ソースを分割表示させる「ピクチャー・バイ・ピクチャー(PBP)」と、複数の入力ソースを画面の上に重ねて表示させる「ピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)」の2点。

 JN-IPS27G1632UF-HSPはゲーミングディスプレーだが、マルチウィンドウ機能を使うことで同時並行の作業が可能になる。パソコンの画面で仕事をしながら家庭用ゲーム機の画面で遊ぶなど、PBPもしくはPIPによる恩恵はかなり大きいのだ。

 筆者は一応ゲームライターの活動をしていて、ごくまれにコンソールゲームのレビューを頼まれることがある。家庭用ゲーム機で試遊してからパソコンで原稿を執筆する流れが主だが、入力ソースの切り替えが面倒に感じるわけで……。

 そんな折に、PIPやPBPのマルチウィンドウ機能が使えたら喜びもひとしお。1台のディスプレーに2画面を表示させることで、ゲームの試遊と執筆を同時にこなせるようになるからだ。

 そのうえ、複数の入力ソースをわざわざ切り替えずに済む点もありがたい。マルチウィンドウ機能を使う機会はあまりないかもしれないが、いざというときに重宝する機能であることは確かだ。

まとめ:6万円台で体験できるフルHD・4Kの凄み

 JN-IPS27G1632UF-HSPは、一石二鳥をそのまま形にしたようなゲーミングディスプレーだ。2つの解像度ボタン1つで切り替えられる機能や3ケタのリフレッシュレートなど、ゲーマーの好奇心を刺激させる魅力が多く詰まっている。

 2つの解像度およびリフレッシュレートを切り替えられるゲーミングディスプレーは、現時点では10~20万円台が相場になっている(執筆時点)。その点、フルHD・4Kを備えているJN-IPS27G1632UF-HSPは6万円台。相場を下回る価格なので、お買い得といっても過言ではない。

 2つの解像度を備えるゲーミングディスプレーを手ごろな価格で体験できるなんて、最高だと思わないだろうか? 本稿を読んでみてJN-IPS27G1632UF-HSPが気になった人は、本機の購入を前向きに検討してみてほしい。

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【衝撃】6万円台はお手頃過ぎん? フルHD/320Hz&4K/160Hzで使える27型ゲーミングディスプレーがほしすぎる