
モトローラから、約3万5000円で“全部入り”のSIMフリースマートフォン「moto g66j 5G」が発表された。低価格ながらFeliCaや防水・防塵にも対応していて人気が出そうだ。しかし、市場には同じライバルも多い。低価格帯のスマートフォンを狙うのであれば「moto g66j 5Gが買い」で正しいのか、他社を含めて製品情報をまとめた。
FeliCaが使えて防水対応! 便利かつ安価なmoto g66j 5G
スマートフォンにおける“全部入り”の定義はいろいろあると思うが、筆者が考える定義としては、最新Android環境がある程度スムースに動くこと、FeliCaをサポートすること、水没にも対応するレベルの防水性能があることだ。
これだけ揃っていれば、速度やカメラ、ディスプレー表示などに性能差はあったとしても、3Dを多用したゲーム以外にできないことはほぼ無いと言える。
約3万5000円で販売されるmoto g66j 5Gはこうした要素をあっさりと備えてきた。昨年登場した同価格帯の「moto g64j 5G」や、シャオミやOPPOの競合モデルはいずれも防水対応はやや弱い。しかもmoto g66j 5Gは防水でIP9Xにまで対応し、水没だけでなく高温で高圧の水流にまで耐えられるという。
そのほかの性能でも、SoCはMediaTek Dimensity 7060、8GBメモリー、1080×2400ドットで120Hz対応の6.7型液晶、30W急速充電、さらにイヤホン端子もある。また、モトローラ機ならではの要素として、あまりカスタマイズされていない素に近いAndroidというのもメリットだ。
と、ここまでmoto g66j 5Gの強みとなる部分を紹介してきたが、ここで意外とも言えるライバルを紹介しよう。それは今年2月に発売されたサムスン「Galaxy A25 5G」だ。
サムスンのAシリーズはキャリアからリリースされる超低価格機という印象だったが、Galaxy A25 5GはSIMフリー版もあり、実売価格は3万円弱だ。
Galaxy A25 5Gは、全体的なスペックもmoto g66j 5Gよりは若干見劣りし、SoCはMediaTek Dimensity 6100+、4GBメモリー、720×1600×720ドットで60Hz対応の6.7型液晶などとなっているが、FeliCaやIP68の防水防塵をサポート。ぱっと見はGalaxyシリーズの上位モデル、Galaxy S25のイメージに近い感じもする。
ほかには、3万円台後半に国内メーカーの「AQUOS wish5」や「arrows We2」がある。この2機種はどちらも高い防水性能を持っていてFeliCaも対応する。
中でもAQUOS wish5は6月に登場したばかりの新製品でmoto g66j 5Gと同じくIP69の防水防塵に対応する。ただ、残念なのはMediaTek Dimensity 6300と少し処理能力が落ちること。そして、メモリーも4GBと今後のことを考えるとやや少なめ。液晶の解像度も720×1612と低い。さらにスピーカーもモノラルだ。
スペックだけなら見劣りするが、AQUOS wish5はカラフルな5色が用意されており、本体重量も少し軽い(約187g)。世代によっては国内メーカーのブランドと操作感もプラスになるかもしれない。また、AQUOS wish5とarrows We2はハンドソープでの洗浄やアルコール除菌シートの使用に対応する。これから夏に向けて清潔が第一という人には向いている。
2万円台ならどうだろうか。OPPOやシャオミにはもう少し安価な製品はあるが、防水性能で見劣りする。ただ、そうした防水性能が必要なく、価格を少しでも抑えたい人は選択肢に入ってくるだろう。
「OPPO A3 5G」は、Dimensity 6300を搭載しており、現在の実売価格は約2万6000円。5G対応でnanoSIMを2枚挿入でき、しかもeSIMにも対応する。スペックでは一歩見劣りするがコスパは悪くない。
シャオミではPOCOブランドの「POCO M7 Pro 5G」がある。実売価格は3万円弱で、防水は弱く、FeliCaも対応しないが、120Hz対応の6.67型有機EL採用などスペック面に特化したモデルだ。サブ機としてなら十分ありだろう。
また、前世代になった「moto g64j 5G」も実売価格が2万9000円程度になって選ぶ価値がある。MediaTek Dimensity 7025、8Gメモリー、1080×2400ドットの6.5型液晶で177gと比較的軽量。ただし、防水性能はIP52止まりだ。
モトローラのedge 50s proは新古品で狙うと大穴的存在
これまで、普通に量販店やECサイトで購入できるモデルを紹介してきたが、大穴的にはモトローラの「edge 50s pro」も挙げておきたい。
というのも、ソフトバンク版の未使用とされる新古品が大量に中古店やネットオークションに出回っており、相場が下がっている。価格は販売店や状態によってさまざまだが、未使用とされる状態でも3万円以下で入手することも難しくない。
edegシリーズは画面の縁が湾曲しているデザインで賛否は分かれるが、スペック自体はほぼすべてでmoto g66j 5Gよりも上だ。また、前述のGalaxy A25 5Gはドコモ/au/ソフトバンクのキャリア版もあり、その中古品がSIMフリー版よりもかなり安く出回っている。
moto g66j 5Gは低価格でシンプルな
最新のAndroid機が欲しい人にオススメ
さまざまな機種と比較したが、moto g66j 5Gは価格帯と性能で見ると、同等のスペックや価格の機種はあまりない。自分の希望が明確になっていれば、あまり迷うことはないと思われる。
それを前提にmoto g66j 5Gをオススメしたいと筆者が考える人は、最新機種が欲しい人、そして、あまりカスタマイズされていないAndroidを希望する人だろう。
今回の記事を参考に自分にピッタリ合うスマートフォンを選んでほしい。

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