エアコンの設定で「どちらが節電になる?」と迷いがちな2択について解説

夏のエアコン設定「風向き 下or水平」「風量 自動or弱」どっちが節電になる?“迷いがちな二択”を節約アドバイザーに聞いてみたの画像一覧

7月に入り全国各地で真夏日猛暑日を記録。今年は昨年以上に猛暑になることが予想されています。エアコンを適切に使うことが猛暑による熱中症対策となりますが、そこで気になるのは電気代。全国への「電気・ガス代の支援」が決定したものの、できるならエアコンによる電気代を削減したいですよね。

今回は節約アドバイザーの和田由貴さんにエアコンの設定で「どちらが節電になる?」と迷いがちな2択について解説してもらいました。

風量「自動」と「弱」、どっちが節電?

エアコンの風量「自動」と「弱」設定はどっちが節電?まずは風量が「自動」と「弱」はどちらが電気代がかからないのか?

「風量は強くても弱くても、結局ファンが速く回るか遅くなるかだけの違いなのでそれほど電気代に大きく影響しないんです。電気代が大きく変わるのはコンプレッサーの稼働に関係してくる設定温度です。室温と設定温度に差があると、そこまで下げる時間が長くかかればかかるほど電気代がかかります。

風量自体は電気代に影響しませんが、風が弱いと部屋が冷えるのに時間がかかります。強風だと、あっという間に冷える。なので、エアコンのつけ始めから設定温度に至るまでの間は、できるだけ強風の方がいいです。設定温度まで到達したら微風でもOKです。……その状態を勝手にやってくれるのが『自動』ですね。部屋の状況に応じてやってくれるので、おすすめは『自動』です」(和田さん)

風向きは「下」or「水平」どちらが節電?

エアコンの風向きは「下」or「水平」どちらが節電?電気代がかかる仕組みを理解していればどちらが節電か迷わずにすむのですね!では続いては、風向き。下向きの方が涼しそうですが、水平とどちらが節電になるのでしょうか?

「『水平』ですね。なぜなら冷たい空気は重たいので、風を下向きにしてしまうとエアコンの真下ばかりに冷気が溜まるから。部屋全体が冷えずに冷気の偏りが非常に大きくなってしまいます。風向きを『水平』にすると、重たい冷気は自然と下に降りてきて、部屋全体にまんべんなく行き渡りやすいです」(和田さん)

ではスイング機能は何のためにあるのでしょうか……。

「ほとんどのエアコンには暖房・冷房・除湿・送風がありますから、送風の運転をする時にはサーキュレーター的な感じでスイングは活躍すると思います。ただ、冷房や暖房の時には基本的にはスイングは使わなくていいと思います。冷房は水平、暖房は下向き、が効率の良いエアコンの風向きですよ!」(和田さん)

『静かモード』『お休みモード』は節電になるのか

ほかにも気になっているのは『静かモード』や『お休みモード』について。これらのモードを活用することによって電気代を削減することはできるのでしょうか。

おやすみモード「基本的には弱めになるものだから、多少は普通の運転よりは節電にはなると思います。ただ、メーカーによっても呼び名が異なりますし、どのような運転かっていうのにも違うので、まずは取り扱い説明書を見ていただくのが1番良いと思います。そのうえで、効率よく温度を下げるものなのか、そうではないものなのかを判断すると良いですね」(和田さん)

エアコンの電気代が高くなる仕組みを知っておけば、より電気代を削減できる風向きや設定にすることができますよね。エアコンを上手に使いこなして猛暑を乗り越えたいですね。

和田さん

和田由貴さん
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。

文・撮影/松本果歩

夏のエアコン設定「風向き 下or水平」「風量 自動or弱」どっちが節電になる?“迷いがちな二択”を節約アドバイザーに聞いてみた