
将棋の伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負第1局が7月5・6日の両日、愛知県小牧市で行われ、千日手指し直し局で藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に89手で勝利した。防衛6連覇を目指す藤井王位は、シリーズ白星発進。連勝を目指す第2局は、7月15・16日に兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で指される。
6連覇を目指す藤井王位に、王位初挑戦の永瀬九段が挑戦する“真夏の七番勝負”が開幕。両者にとってタイトル戦6度目の対戦となったシリーズ開幕戦は、千日手指し直しの末に藤井王位が勝利した。
小牧市制70周年記念として開催されている第1局は、1日目に千日手が成立する波乱の出だしに。同日の午後から指し直し局が始まった。角換わりの戦型が選ばれると、先手の藤井王位が銀を腰掛けた形にしたところで永瀬九段が銀を強くぶつける研究手を披露。これに藤井王位は銀の撤退を決断し、2度目の千日手の選択もあるかと騒然となった。
しかし、互いが引かずにぶつかり合った結果打開する道が選ばれ、攻め合いへと発展。激しいねじり合いとなっても驚異のバランス感覚で、互角のまま終盤戦へと突入した。
際どい戦いが続いていたが、一時は永瀬九段が優位に。それでも、激しい攻め合いの中で藤井王位が流れを引き戻すことに成功した。圧倒的な終盤力を誇る藤井王位は、銀の打ち込みを起点にピンチを切り抜けると鮮やかにリードを拡大。角切りからの正確無比な指し回しで押し切り、初戦勝利をもぎ取った。

勝利した藤井王位は「千日手に関しては起こるかなと思っていた。(指し直し局は)形勢判断の難しい将棋だった」と一局を総括。一方、敗れた永瀬九段は「終盤で難しい順を拾いきれなかった。次も後手番になるのでしっかり準備して頑張りたい」とコメントしていた。
この結果、藤井王位は白星発進とし、シリーズ成績は1勝0敗となった。連勝でリードを広げるか、永瀬九段が悲願のタイトル奪取に向けて追いつくのか。注目の第2局は、7月15・16日に兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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