藤川阪神において不動のクリーンアップの一角を打つ大山。(C)産経新聞社

 猛虎の快進撃が続いている。7月6日DeNA戦に5-1で勝利した阪神は、今季最多となる8連勝を飾った。

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 厳しい夏の戦いを目前にし、藤川球児監督が率いる阪神の勢いは増すばかりだ。この日も、DeNAを投打で圧倒したチームは、貯金を15と上積み。昨季はシーズン前半戦終了時点で首位にいた巨人から3.5ゲーム差の4位にいたことを考えれば、頭一つ抜けた感すらある。

 4戦連続での二桁安打と怒涛の連勝を見せる阪神にあって、今まさに頼りなるのは、開幕から5番を打ち続けてきた主砲・大山悠輔だ。

 交流戦に入ってから打率を.244にまで落としていた背番号3。一時は3番の森下翔太、4番の佐藤輝明に続く主軸としての火力不足が不安視されたが、ここにきて調子は徐々に復調。とりわけセ・リーグ再開となってからは、打率.452と好成績をマーク。本塁打こそ6月4日に4号を放って以来、0本だが、OPS1.001、得点圏打率.556とハイアベレージを叩き出し、「繋ぎのクリーンアップ」としての役割を見事に全うしている。

 スモールサンプルながら7月だけに絞っても、出塁率.524、長打率.619、OPS1.143と打ちまくっている大山。今月5日に放送されたMBS『せやねん』で岡田彰布顧問が「打順を変えてあげなあかんわ。今は大山の負担が大きすぎる」「走者をかえさないといけないと、自分の打てるアレ(コース)が狭くなってくる。ちょっと強引になってしまう」と指摘されたが、名将の不安をよそに安定感は増している。調子を落とした交流戦以降で、本塁打ゼロであろうと、打線の軸から外せない理由は明確と言えよう。

 沈みがちだった大山が復調したことで、打線も活発化してきた。投手陣は開幕から盤石の安定感を誇ってきただけに、覇権奪回への期待値は高まっている。

 あまりに強すぎる藤川阪神の勢いはどこまで続くのか。“死のロード”を迎える勝負の8月までに首位独走状態が続けば、2年ぶりのセ界一が見えてくる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

強すぎる…止まらない藤川阪神の快進撃は沈みがちだった主砲の復調が鍵 交流戦後に“本塁打ゼロの男”を外せない理由